ペットを飼いたい女とペットになった男 [R18]

ペットを手に入れた！

過ぎてた。

過ぎてました！

20歳と１ヶ月らしい。

セーフ。ギリギリセーフ。

名前も今聞いた。

岡田 瞬太郎…うん、タローでいいな。
ネズミじゃなくて子犬だったのか。
タローちゃんと出会ったのは1時間前の事だ。






はい、回想入りまーす。




永峰香織 28歳。独身。
仕事は化粧品の国内シェア２位の貴方堂で働いているバリバリのキャリアウーマンだ。
販売企画部の係長をしている。
仕事柄、身綺麗にしてるし、サンプル使い放題の環境にいる為、肌もアラサーにしては綺麗だ。
まぁ、ぶっちゃけ美人なんだよね、私。

頭も良くて、仕事も出来て、美人。

はい、キタコレ！
ここまで言ったら分かるでしょ。

モテないんだよ！
完璧すぎてモテない。

何が「君は俺がいなくても大丈夫だろう…」だ。
安い三文芝居のセリフ吐いてんじゃねー。
うん、この気の強さも原因かな。

たまーに自分に自信満々系の俺様が近づいてくるけどタイプじゃない。
俺様系に私の食指は動かないのだ。
私の好みは草食系男子だ。

ギラギラじゃなくてサワサワッが良い。
食べられるんじゃなくて食べたい！
そう、自分のタイミングで食べたいんだ！！


あー、どっかに小動物みたいに可愛くて、料理、洗濯、掃除してくれて、ついでに私がしたい時だけエッチ出来る男いないかなぁ。








はい、イター！





仕事帰りの帰宅途中で火事があったらしく、現場を野次馬しながら通り過ぎようとした時

「ど、どうしよう。アパート燃えちゃった。に、荷物。大学の教材も…。いや、それより今日はどこで寝たら…漫喫？お金もあまり無いし…」

ブツブツ呟く声が聞こえて、わぁーご愁傷様。と思いながら声の主を見ると、そこには小動物系の可愛い男の子がふるふる震えながら立っていた。



うん。持ち帰ろう！

キミに決めた！
チューチューGETだぜ。



「ねぇ、君、料理出来る？掃除と洗濯は？」

「えっ？」

若干パニくっている男の子をよそにガンガン話しかける。

履いてる7cmヒールを差し引いても私が高いのは見上げられる角度で分かる。

上目遣いヤバイ。
ポカンと開けた口から前歯が2本出てる。
アレか、ヒマワリの種をあげたら良いのか。



「私さ、この近くに住んでるんだけど…」

名刺を渡しながら説明する。

「……というわけで、仕事が忙しくて中々家のことが出来てない状況なの。どうしようかなーて悩んでたら、キミの声が聞こえて。」

あやしくないよー。
怖くないよー。
チッチッチッ。こっちにおいで。


エッチうんぬんは説明を省く。
家に連れ込んじゃえば、後はどうにでもなるからね。
ヘヘヘヘッ。

「ただ今ペット募集中なの。行く所無いならおいでよ。次の家が決まるまででもいいし、朝、夕の食事の用意と掃除・洗濯してくれたら、部屋はタダだし、食費も、光熱費も要らないよー。私の身元も判明してるし安全よ。」

タダというキーワードに惹かれたのであろうチュー太くんは、火事によるパニックから正しい判断が出来ずに、首を縦に振り頷いた。


まぁ、ただより怖いものはないけどね。
ニヤリ。