警視庁雑務部雑務総務課〜父の無実の罪を晴らすため就職しました〜

産屋敷 九十九

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File1 自覚無き殺人犯

第八話 資料集め

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出発して十七分、五.七キロメートル先にある東京都豊島区西池袋一丁目のネットカフェクルックーに到着した。 

ここでも、USBロボットを持った俺を変な目で見てきた。


まぁ、無事に終わったからいいんだけどさぁ。


「椿先輩、このUSBロボットもうちょっと見た目なんとかならないですか?」

「ワタシはこのレトロな感じが気に入ってイル#/$€%」

「そうですか……」


じゃあ、しょうがないな。


「資料集めはどうします? 個人的に昨日、家で探してましたけど、あまり参考になるものはなかったんですよね。ネットでググったり、ラノベとかアニメとかではそれっぽいのはありますけど……。調べるとしたら図書館ですか? 図書館でここから近いのは新宿区中央図書館ですけど、あ、ここはこども図書館って書いてありますね……」と俺は携帯で近辺の図書館を調べる。

「う~ん。そうなんだよナァ、日本は能力者関連の事件が増加傾向にあるガ、他国はそうでもないから資料自体が少ないんだよナ。昨日探した中でそれっぽい能力ってどんなのがアッタ?#/$€%」

「ちゃんとした文献であれば、精神干渉。ラノベとかから考えた能力であれば幽体離脱現象ですかね? でも幽体離脱は現象であって超能力ではないですよね」

「なるほどナ……。じゃあ、それが書かれた文献とラノベを参考にするから持ってきてクレ#/$€%」

「わかりました。じゃあ家、寄っていいですか?」

俺は車を発進させ、自宅へ向かった。

「え? キミの家に資料あるの?」

「はい、昔から異能とか超能力とか魔法とか出てくるやつが好きで、俺もいつか使えたらカッコいいなと思って、ラノベ以外にも超能力の専門書、結構買ってるんですよ」

「さすが夢みる少年、ワタシの目にはキミが輝いてみえるよ#/$€%」

「なんですかそれ、俺少年って歳でもないんですけど」

「ハハハハハハ、で、今はもう買ってないのか?」


笑って話そらしましたね? まぁ、いいですけど……。


「今も買ってますね。流石にこの歳で超能力に夢見ることはないですけど、読む分には面白いんで、習慣になってる感じです。まぁ、その甲斐あってそんじょそこらの図書館よりは俺の方が超能力関連の本いっぱいもってる自負がありますね」

「ほぉ~、じゃあこの仕事はキミにとって天職と言うわけだナ#/$€%」

「だったらいいなと思いますけど、俺にとっては能力者関連の事件は今回初めてなんで今は何とも」

「まぁそれもそうだな#/$€%」

「あ、椿先輩、俺ん家スゲー汚いですし、資料取りに行くだけなんでUSBロボット置いてっていいですか?」

「みたいなーみたいなー正人くんのお部屋みたいなー#/$€%」

「興味なさそうに棒読みでお願いするのやめてくださいよ」

「あ、さてはエロほ──」

「ないです!」

「童貞まるだしダゾ、後輩#/$€%」

「うるさいですよ、余計なお世話です!」

車を走らせ目黒区中目黒一丁目の俺の住むマンションで参考文献を車に乗せ、警視庁へ戻った。




その間に士郎さんと歩さんに依頼された仕事をこなしながら。







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