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まじょのなみだ【絵本風(ひらがな)】
ななぺーじ
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ひとびとをおそったあめのみずは、まじょをおそいのみこみました。
それとどうじに、ひとびとのひめいもぱたりときえてきこえなくなりました。
まじょのなみだがなぜしあわせななみだでなくてはならないのか。
それは、かなしみのなみだはまじょじしんだけではなく、ひとびとをあぶないめにあわせてしまうからです。
まじょはそれをしっていました。
だからこそ、しあわせななみだをながせなかったとき、ひとびとにざんねんがられたり、たくさんひどいことをいわれてもかなしみのなみだをながすことはありませんでした。
それをわかっていて、かなしみのなみだをながしてしまったのは、ふつうのしあわせをてにいれられなかったかなしさ、めぐみのあめをふらせるちからだけをもとれられまじょのことをだれもみてくれなかったというさみしさ、そしてそのげんじつにぜつぼうしたからです。
まじょとじんるいをほろぼしたかなしきなみだのあめはふりつづけ、やがてだいちはみずにのまれてすがたをけしました。
だいちがみずにのまれてもなお、あめはふりつづけました。
あめはまだやみません。
ふりつづけるあめは、まじょのこころそのものでした。
それとどうじに、ひとびとのひめいもぱたりときえてきこえなくなりました。
まじょのなみだがなぜしあわせななみだでなくてはならないのか。
それは、かなしみのなみだはまじょじしんだけではなく、ひとびとをあぶないめにあわせてしまうからです。
まじょはそれをしっていました。
だからこそ、しあわせななみだをながせなかったとき、ひとびとにざんねんがられたり、たくさんひどいことをいわれてもかなしみのなみだをながすことはありませんでした。
それをわかっていて、かなしみのなみだをながしてしまったのは、ふつうのしあわせをてにいれられなかったかなしさ、めぐみのあめをふらせるちからだけをもとれられまじょのことをだれもみてくれなかったというさみしさ、そしてそのげんじつにぜつぼうしたからです。
まじょとじんるいをほろぼしたかなしきなみだのあめはふりつづけ、やがてだいちはみずにのまれてすがたをけしました。
だいちがみずにのまれてもなお、あめはふりつづけました。
あめはまだやみません。
ふりつづけるあめは、まじょのこころそのものでした。
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