15 / 21
まじょのなみだ【絵本風(ひらがな)】
にぺーじ
しおりを挟む
とあるむかし、りゆうはよくわかりませんが、あめのふらないくにがふえていきました。
そのせいで、だいちはひからびて、やさいやおこめがそだたず、たべられるものがなくなり、おおくのひとがしんでいきました。
そんなとき、ふらっとひからびただいちにおとずれたまじょはいいました。
「わたしがうれしくてなみだをながしてしまうようなことをしてくれませんか?」
そうすれば、このだいちにあめをふらすことができると、まじょはいいました。
そのくにには、ほかのくによりもたくさんのほんがありました。
たまたまそのまじょはほんがすきということもあって、くにでいちばんおおきなとしょかんへまじょはつれていかれました。
まじょは、ほんをてにとりました。
「このものがたりは、とてもかんどうてきね」
そういって、まじょはほんのさいごのページをひらいたまま、なみだをながして、あめをふらせました。
それから、まじょへあめをふらせてほしいと、まじょにおねがいするひとたちがたくさんやってきました。
ほんやおいしいごはん、おかね、ほうせきなどが、たくさんのくにからまじょにプレゼントされました。
はじめは、ひとをたすけるためになみだをながしてきたまじょでしたが、プレゼントをわたされるたびになみだをながすことをきたいされ、なみだをながすことができなければ、たくさんのひとからざんねんがられたり、ひどいことをいわれたりしました。
まじょは、ひとをしんじることができなくなりました。
やがて、まじょはなみだをながすことができなくなりました。
しあわせななみだをながせなくなったまじょに、ようはありません。
いままで、まじょのいえにおくられつづけてきたプレゼントはだんだんへっていき、まじょのいえにプレゼントがとどかなくなりました。
もともと、ひとをたすけるためになみだをながしてきたまじょは、プレゼントがとどかなくてもこまることはありません。
なみだをながしてひとをたすけるまえは、びょうきをなおすくすりをつくって、それをひとにうって、おかねにして、せいかつしていたのですから。
そのせいで、だいちはひからびて、やさいやおこめがそだたず、たべられるものがなくなり、おおくのひとがしんでいきました。
そんなとき、ふらっとひからびただいちにおとずれたまじょはいいました。
「わたしがうれしくてなみだをながしてしまうようなことをしてくれませんか?」
そうすれば、このだいちにあめをふらすことができると、まじょはいいました。
そのくにには、ほかのくによりもたくさんのほんがありました。
たまたまそのまじょはほんがすきということもあって、くにでいちばんおおきなとしょかんへまじょはつれていかれました。
まじょは、ほんをてにとりました。
「このものがたりは、とてもかんどうてきね」
そういって、まじょはほんのさいごのページをひらいたまま、なみだをながして、あめをふらせました。
それから、まじょへあめをふらせてほしいと、まじょにおねがいするひとたちがたくさんやってきました。
ほんやおいしいごはん、おかね、ほうせきなどが、たくさんのくにからまじょにプレゼントされました。
はじめは、ひとをたすけるためになみだをながしてきたまじょでしたが、プレゼントをわたされるたびになみだをながすことをきたいされ、なみだをながすことができなければ、たくさんのひとからざんねんがられたり、ひどいことをいわれたりしました。
まじょは、ひとをしんじることができなくなりました。
やがて、まじょはなみだをながすことができなくなりました。
しあわせななみだをながせなくなったまじょに、ようはありません。
いままで、まじょのいえにおくられつづけてきたプレゼントはだんだんへっていき、まじょのいえにプレゼントがとどかなくなりました。
もともと、ひとをたすけるためになみだをながしてきたまじょは、プレゼントがとどかなくてもこまることはありません。
なみだをながしてひとをたすけるまえは、びょうきをなおすくすりをつくって、それをひとにうって、おかねにして、せいかつしていたのですから。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
妖精の約束
鹿野 秋乃
児童書・童話
冬の夜。眠れない少年に母が語り聞かせた物語は、妖精の郷を救った王子の冒険だった。昔どこかで誰かに聞いたかもしれないおとぎ話。図書館の隅で読んだかも知れない童話。大人になって、ふと思い出す。そんな懐かしい、お菓子のようなお話。
紅薔薇と森の待ち人
石河 翠
児童書・童話
くにざかいの深い森で、貧しい若者と美しい少女が出会いました。仲睦まじく暮らす二人でしたが、森の周辺にはいつしか不穏な気配がただよいはじめます。若者と彼が愛する森を守るために、少女が下した決断とは……。
こちらは小説家になろうにも投稿しております。
表紙は、夕立様に描いて頂きました。
Sadness of the attendant
砂詠 飛来
児童書・童話
王子がまだ生熟れであるように、姫もまだまだ小娘でありました。
醜いカエルの姿に変えられてしまった王子を嘆く従者ハインリヒ。彼の強い憎しみの先に居たのは、王子を救ってくれた姫だった。
白銀の狼と暁の国
石河 翠
児童書・童話
雪に閉ざされた王国を救うため、お姫さまは森に住む狼のもとに嫁ぐことになりました。愛を知らないお姫さまと、人間に仲間を殺されたひとりぼっちの狼。彼らはひと冬をともに過ごし、やがて本当の家族になるのです。ところがある時、彼らに予想もしない出来事が訪れ……。愛する家族を守るため、お姫さまと狼はそれぞれの大切なものを差し出すのでした。
※この作品は、『月は夢など見るはずもなく』の第7話「十三夜」の中で、ヒロイン月玲(ユエリン)がヒーローに聞かせた昔話です。
※イラストは、さお様に描いていただきました。本当にありがとうございました。
※この作品は小説家になろうにも投稿しております。
タロウのひまわり
光野朝風
児童書・童話
捨て犬のタロウは人間不信で憎しみにも近い感情を抱きやさぐれていました。
ある日誰も信用していなかったタロウの前にタロウを受け入れてくれる存在が現れます。
タロウはやがて受け入れてくれた存在に恩返しをするため懸命な行動に出ます。
出会いと別れ、そして自己犠牲のものがたり。
シャルル・ド・ラングとピエールのおはなし
ねこうさぎしゃ
児童書・童話
ノルウェジアン・フォレスト・キャットのシャルル・ド・ラングはちょっと変わった猫です。人間のように二本足で歩き、タキシードを着てシルクハットを被り、猫目石のついたステッキまで持っています。
以前シャルル・ド・ラングが住んでいた世界では、動物たちはみな、二本足で立ち歩くのが普通なのでしたが……。
不思議な力で出会った者を助ける謎の猫、シャルル・ド・ラングのお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる