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ポカポカ
しおりを挟む「マナ!!」
部屋の扉が開いてフィア様が入って来た。
「フィア様」
「フィア、どうした?」
「街の視察をしていたら魔物が出たと聞いて胸騒ぎがして戻ってきたんだ。ん?その子は?」
フィア様の目が僕の抱っこしている子犬に向かう。
「こいつこの宮廷に迷い込んだんだ。怪我をしていて治したらマナに懐いて…」
「フィア様…この子飼っちゃだめ?まだ赤ちゃんだから…」
僕は真っ白な子犬を見つめる。
「小さい魔物は従順です。契約をすればマナ様の護衛にもなります」
するとフィア様は座り込む。
「もちろんいいよ。ただ、小さいとはいえ魔物だから私と契約をしてもらう。マナ、名前は決めてるかな?」
「えっと…」
僕は子犬を見つめフィア様を見る。
「フィー…」
「フィーか。いい名前だね。じゃあフィー、私と契約を結ぶよ。君の主は今日から私だ。頼みは私の弟であり恋人のマナに危害がある場合のみ本来の姿になり、守ること」
フィア様がフィーにそういうとキャンと鳴く。
そしてフィーの体が光り、首に首輪が着き、フィア様の指から流れた血を舐める。
「これで契約は終わりだよ」
「フィーこれからよろしくね」
「キャン!」
フィーはまるでよろしくという様に鳴く。
「フィア様…ありがとう」
「どういたしまして。マナ…」
「ぁ…」
僕はフィア様にキスをされる。
「おいおい…」
「ふふ」
「フィア様…みんな居るから恥ずかしいよ」
「マナがあまりにも可愛いからね」
そう言うフィア様を見つめるとアラン様ががっつくなといい、ナハト様は笑う。
フィーも嬉しそうに鳴いて、とても明るくて僕の心はポカポカしたのだった。
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