転生したら大嫌いなキャラだったけど何故か主人公に愛されそうです

ノア

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絆の話

作戦会議

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翌日の昼過ぎ。

様にアルト様、ミルラ様が僕らの部屋にやってきた。

今日は昼までは普通に騎士の仕事を三人はこなして、僕はお父様と一緒に魔法の練習をした。

本当はフェルから離れるつもりはなかったけどお父様があまりべったりだとヘムトに怪しまれると言った為、お父様と居た。

寂しくなかったというと嘘になるけど少しだけ魔法が使えるようになって嬉しい。

「ヘムトの事なんだけど、一筋縄では無理なんだ。奴は、多分悪魔の力を使って気配を消す魔法。認識阻害ができる」

「認識阻害なんて本当にあるのですね」

「文献にはあるが、あれはとんでもなく魔力を消費するし、どのような方法で扱うかも分からない魔法なんだろ?」

「怖い...」

ミルラ様はアルト様に抱きつく。

「認識阻害のせいでいつ何処に現れるのかも分からない。無闇に近づけばそれはそれで危ない。ヘムトの力はみんな知ってるだろ?」

「ブラックとしての功績は騎士の中でも断トツに凄いです。彼はふらりと現れ、あっという間に騎士団の中で魔法でトップになりました。俺やリアでも彼の魔法の前では戦うことも不可能です。」

「そんなに凄いの?」

僕が尋ねるとアルト様は頷く。

「全ての魔法を弾くのです。なので攻撃が届かない」

「そんな...」

そんなの、戦うことも出来ない。

「魔法だから何処かに弱点はあるんだろうが、それすらも分からないんだよ。奴の魔法は...」

「そうなんだ...」

魔法は願いの力が具現化したものだと今日お父様に教えられた。

ただどんなに願っても自分の魔力量で魔法の扱いは変わるのだという。

例えば守りたいと願えば、魔力量によってバリアの強度が変わる。どんなにその人に傷をつけないで...
と願っても、魔力が少ないと強いバリアは貼れないということになる。

そして願いの他にも魔法は発動する。それが文献にある魔法。

魔導書と呼ばれるものだけど、その魔導書にある魔法は願いの力がなくても発動ができる。

魔導書は太古の昔、妖精が編み出した魔法が載っている。けど中にはどうやって発動したらいいのか解析不可能な魔法もあるというし、やはり発動にも魔力量に比例するという。

ゲームにはない設定だったから最初聞いた時はかなり驚いてしまった。

けど、そんな強い魔法を使うヘムトはどんな願いを込めたのだろう?

「ルナ?」

「ふぇ!?」

「どうしたの?大丈夫?体調悪い?」

色々考えてたら、フェルが心配そうに僕を見てた。

「考えてたんだ。ヘムトって人がどんな願いを込めたのだろうって...」

「え?」

フェルは驚いた声を出す

「魔法は願いの力が具現化するから...それなら全てを弾く魔法なんて思いついたヘムトはどんな願いを込めたのだろうって...」

「確かにな。余程の願いがないとそんな魔法出来ないな。叔父上はなにを考えてそんな願いに..」

「もしかしたらそこに突破口があるのかも...」

「ミルラ?」

ミルラ様は顔を上げる。

「願いの力が魔法になるんだから、ヘムトにも願いがあったはずなんです。ならその願いを知れば魔法を無力化できるかもしれません」

「そうだね。じゃあとりあえず、彼の過去を探ろう」

「それなら俺が適任だ。父に聞けば分かるかもしれないからな」

リア様はそういうと部屋を出ていく。

そして僕とフェルもお父様にヘムトの過去を聞いてみることにし、ミルラ様とアルト様は怪しまれないように騎士団に戻ったのだった。
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