転生したら大嫌いなキャラだったけど何故か主人公に愛されそうです

ノア

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会いたくない人

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フェルに沢山愛された次の日。

体調も良くなり今日から一時間の魔法練習が始まる。

「はい。出来たよ」

「ありがとうフェル!」

鏡の前に座りフェルに髪を結って貰う。

淡い青の大きなリボンで緩く結ばれた髪。リボンが可愛くて気に入ってる。

「よく似合ってる。ドレスも凄く可愛いよ」

「ありがとう……」

今日のドレスはリボンと同じ色の淡い青のドレス。ふわりとした形で、丈は膝上。

ちなみに下着も同じ色の淡い青の女性物をつけてる。

最初は恥ずかしかったけど、フェルが好きって言ってくれるからそれだけで良い

フェルは今日は黒のスーツ

腰には黒翼の剣があり、凄くかっこいい。

「フェル…かっこいい」

「ありがとう。ルナに言われたら嬉しいよ」

頬にキスをされて、手を繋いで外に出る。魔法練習は騎士団の棟でするからそこまで行かないと行けない。

「フェル。おはよう」

「アクア…… 」

「ぁ……」

騎士団の棟に行こうと渡り廊下を歩いていると、声をかけられた。振り向くとアクアがいた。

どうしてアクアが僕達の家に居るのだろう?

「何か用?」

「騎士団に用事があったの。あと、貴方と婚約させて欲しいとあなたの弟に言おうかなって…」

「馬鹿なこと言わないで。キミの婚約者は弟のアオイだよ」

「私よりルナをとるの?」

アクアは冷たい目で僕を見る。

怖くなって僕はフェルの後ろに隠れる。

「取るとかそんな問題じゃないよ。僕はルナが好きなんだ。愛してる」

「本当、フェルって昔からルナばっかりよね。何かあればルナ、ルナ。ただの平民のどこがいいのよ」

「ルナはもう平民じゃないよ。貴族だ」

フェルは僕に微笑んでくれる。

「けど生まれは平民よ。ねぇ、ルナ。あなた、本人に邪魔ね」

「ぁ…な、なに……いや!!」

アクアは僕の体に水の触手を巻き付ける。

「ルナ!!アクア、お前……」

「フェル。動かないで?動いたらルナの発作を起こさすわ」

「なっ!!」

フェルは動けなくなる。

「ルナ…あなたの醜い本性を見せなさい」

「や…やだぁぁ!!」

「ルナ!アクアいい加減にしろ!」

触手に、体を浮かされて足を大きく開かされた。

恥ずかしい所がアクアとフェルに丸見えになる。

「やだ…やめて…みないで……」

「そんな声で泣くのね。その声でフェルを誘惑したの?」

「してな…い…」

近付いてくるアクアに僕は首を横に振る。

「ルナ待ってて、今……」

「フェル!!この子に発作出させていいの?」

「っ!」

フェルが魔法を放とうとした瞬間、アクアの手が胸に触れる。

「いつでも発作を起こさせれるわ…しかし、本当に醜いわね。男の癖に女装までして…」

「や、やめて…いやぁぁぁ!!」

アクアの手がドレスに掛かった瞬間、ボンッという音がした。

「きゃあ!!」

「ルナ!」

「ぁ…ぁ…なにこれ…」

目の前に真っ白な羽が舞っていて、アクアが蹲っている。

「ルナ!お前!」

「な、なに?いや!!」

「きゃあ!!」

アクアが僕に襲いかかる。

触手はまだ消えてなくて、恥ずかしい格好で捕まったまま、僕は目を閉じる。その瞬間、バチンという音がした。

「わっ!?」

「ルナ!!」

触手が消えて落ちそうになったのをフェルが救ってくれる。

「フェル…」

「ルナ…ごめんね。守れなくて……」

「ううん…」

フェルは悪くない。もしフェルが動いたらもっと酷いことになってたと思うから……

フェルの後ろには倒れたアクアがいる。そしてまだ白の羽が舞っている。

「フェル…羽…」

「ルナの背中から翼が出てるんだよ」

「え!?」

顔を後ろに少し向けたら確かに白いものが目に入った。

「な、なんで?」

こんなのゲームにはない。設定にもない。

「ルナは天使の血筋なのかもね。とりあえず、部屋に戻ろう。羽は仕舞える?」

「た、多分……」

羽に魔力を集中させたら羽が消えた。

「フェル様!ルナ様!」

その時だ。後ろから声がした。

振り向くとアルト様がいた。

「丁度良かった。アルト、父上を部屋に呼んで欲しい。あと、アクアの家の近衛にアクアを引き取るよう言って」

「わ、わかりました。すごい音がしましたが、お2人は大丈夫…ルナ様、フェル様びしょ濡れですね。お召し物をお部屋にお持ちします」

「ありがとう。ルナ、行こう」

「うん…」

僕はフェルに抱きついてそして部屋に戻ったのだった。
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