転生したら大嫌いなキャラだったけど何故か主人公に愛されそうです

体調不良

目を覚ますとフェルが僕の頭を触ってくれていた。

「フェル……けほっ」

「おはよう…少し熱があるね」

額を触られて、今日は一日休むことになった。

環境の変化や魔法を使った事の反動らしい。

「はぁ…はぁ」

胸が苦しくなり息が上手く出来ない。

「癒すね」

胸元に手を入れられて、フェルが癒しの魔法を使ってくれる。

こんなに熱を出したのは久しぶりだ。

「今日はゆっくり休んで」

「うん……」

キスをされ眠りに落ちる。







そして次に目を覚ましたらフェルがベッドに腰掛けて、書類に目を通してた。

いつの間にか着替えていて、今日の服は真っ白なスーツだ。

かっこいい……

フェルって何しても絵になるけど、書類に目を通してる姿は、とてもかっこいい。

戦ってる時は男らしく、今はなんていうか色っぽい？

ゲームの中では見れなかったフェルの表情にドキドキしてしまう。

「ルナ、起きた？」

「フェル……」

「まだ少し熱があるね。朝ごはん食べてないから食べる？」

「う、うん…」

フェルは僕を起こしてくれる。

そして、隣にあるお粥を食べさせてくれる。

「自分で食べれるよ」

「ダーメ。零しちゃうからね」

確かに頭がふわふわするから零れる可能性はある。

呑み込んだのを確認されてからお粥を入れられ、半分ぐらい食べた。

「もういらない」

「よく食べたね。薬も飲もうか」

「やだ…苦いのいや」

実は薬は好きじゃない。苦いし……

「僕が飲ませてあげる」

「え？んっ！」

フェルは水と粉薬を口に入れ、僕にキスをする。

そして薬を流し込まれる。

「んぅぅ！！」

苦い薬が口の中に広がる。けどフェルが優しく優しく、舌で奥に入れてくれた。

「はぁ…はぁ……」

「よく飲めたね。偉い偉い」

フェルに褒められて嬉しくなってしまう。

「これで楽になるよ。ゆっくりおやすみ」

「手、握って？」

「いいよ」

フェルが手を握ってくれる。

温かい。安心できる。

前世ではこんなこと一度もなかった。

「ルナ。おやすみ」

「フェル……おやすみなさい」

そう呟いた瞬間、睡魔が襲いかかり僕は眠りに着いたのだった