転生したら大嫌いなキャラだったけど何故か主人公に愛されそうです

ノア

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白翼の剣 sideフェル

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本当に大人げないとは思う。

ソードマスターに近い二人にこんな稽古を付けるなんて…

けど強くならないといけないんだ。ルナを守れるぐらいに…
ゲームの通りに進むなら邪神復活は必ずある。それは二年後だからそれまでに終盤のフェルの力を付けたい。

それにまだこの世界に転生してから戦ったことがない。

元々ただの高校生だったんだから、戦いなんて出来るわけが無いかと思うが、案外出来そうな気もする。

体に動き方とか騎士としての在り方は身に染みてる。

魔法だって感覚で使える。

「ね?僕が稽古してあげる。ソードマスターになりたいなら僕を倒してよ」

白翼の剣を二人に向けて笑いかけるとアルトとリアは顔を見合わせる。

「本当に良いのですか?副団長でも二人相手は…」

「大丈夫だよ。そんなにヤワじゃないよ」

「わかりました。リアもいいかな?」

「ああ!副団長自らなんて凄いことだしな!」

リアもオッケしてくれた。

僕は後ろに下がる。

ルナが不安そうに僕を見ているけど、隣に来たミルラが何かを囁いていて安心した表情になる。

僕はルナ達の周りにシールドを貼り直し、白翼の剣にキスをする。

「力を貸して、僕に守る力を…」

「副団長の剣、あれなんだ?」

「僕も知らないよ。副団長、あんな剣持ってるんだ…」

二人の声が聞こえた瞬間、白翼の剣が白の光に覆われる。

剣に指を這わせて、光の魔法を付与する。

「副団長がその気なら、僕達も本気で行きます」

「そうだな!!」

アルトとリアも剣に魔法を纏わせた。

「行くよリア!」

「分かってる!!」

二人は僕に襲いかかる。けどその動きはとても遅く見える。

「遅いよ」

「え?うわぁ!!」

「どわっ!!」

僕は剣を一振し、光の斬撃を放つ。

その瞬間、二人が後ろに吹き飛んだ。

「な、なに…今の……」

「見えなかった…」

「まだまだ弱いね。二人とも。それじゃあソードマスターの資格は渡せないな」

僕は倒れ込んでる二人に回復魔法をかける。

「副団長…」

「大人げないことしたね。怪我は大丈夫?」

「は、はい…」

二人の怪我は治っている。

しかしこの白翼の剣。

ゲーム内では使ってないから知らなかったけどとんでもない力を持ってる。

ルナが傍にいるせいもありそうだけど……

使うのは控えた方がいいかもしれない。下手したら死人を出してしまう。

「凄かったです。流石は副団長」

「俺たちもまだまだですね」

「そんなことないよ。けどソードマスターになるならもう少し強くならないとね」

「はい!」

アルトとリアは頷く。

そして三人で、みんなの場所に戻ると、ルナが抱きついてきた。

「ルナ…」

「フェル…凄かった。かっこよかったよ」

「ありがとうルナ」

ルナを抱きしめ、額にキスをする。

「本当に仲が良いですよね」

「副団長に恋人か…」

「二人とも、あんまり言うと稽古増やすよ」

それだけはやめてください!

というアルトとリアを見て僕もルナもそして周りの子も笑ったのだった。
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