転生したら大嫌いなキャラだったけど何故か主人公に愛されそうです

光属性 sideフェル

ルナと静かな時間を過ごしていたらいつの間にルナは眠ってしまった。

ベッドに横にして僕はベッドに座り直す。

ルナの属性が光属性なんて知らなかった。

ゲームにはルナの魔法属性は出てこない。ルナは邪視の力を使って妨害してくるからだ。

隠しルートですら、ルナの属性は分からない。けど一騎討ちの時、最後にルナは光の玉を僕にくれる。

あれはルナの魔法属性の力なのもしれない。

てっきり闇属性かと思ってたけどこれは嬉しい。

光属性は珍しいから国でも大切にされるし、王族の血筋の持ち主だとも言われている。

きっと貴族になっても誰もルナを迫害しない。

それにルナが僕に依存してるのも最高だ。

アクアに会いたくないなんて、可愛すぎる。

ルナが言うなら僕はアクアに会わない。ゲームではヒロインだけど、今の僕はルナだけだ。

前世でこのゲームをした時好きになったのはルナだった。

最初はなにこいつだったけど隠しルートしたら堕ちた。

それぐらい本当の姿のルナは儚くて…かわいそうで…

だから転生できてルナを幸せにできるのは嬉しい。

ふと前みたいに前世で同じクラスだった男の子顔が過ぎった。

滅多に学校には来ない子だった。病気だって聞いた。

ルナみたいに儚くて、僕と目が合うと顔を赤くしてた。可愛い男の子だったのを覚えてる。

前世で未練があるとすればあの子と話が出来なかったことぐらいだな。

僕は高校生だったけど恋人もいた。モテるかと言われたまぁモテた方だと思う。自分で言うのも何だけどそれなりの人数とは付き合った。

とはいえ今みたいに好きという感情はなくて、ただ告白されて付き合ってただけだけど…

それなりに彼女になった子とは性的なこともした。
まぁ男子高校生なんて性欲の塊だから仕方ないのかもしれない。とはいえ気持ちは良いけど、心はあまり満たされてはなかった。

好きだけど、本気で好きじゃなかったのだろう。

もしあの子と話せてたら好きになってたかもしれない。だって反応可愛くて、次学校に来たら絶対声をかけようって思ってたぐらいだ。

僕はどちらかと言えば男性が好きなのだとルナを見た時に気付いたし…

話せなかったことがそれだけが心残りだけど、けどまぁそんな事思っても仕方ない事だ。

「フェル…」

そんな事思ってたらルナが目を覚ました。

「僕、眠っちゃったんだね…」

「発作で寝れてなかったんだからゆっくり休める時に休んで」

「うん…」

ルナは眠りについてしまう。

キスで魔力が回復したのかバランスが整ったのか分からないけど、ゆっくり休んで欲しい。

すると窓がコツコツと鳴る。

見れば真っ白な鳩が止まってた。

足についた紙を取ると、父上からで明後日にルナの王都行きが決まったことと、その夜に社交界デビューが決まった事を知らせてくれた。

父上に感謝しながら僕はルナが起きたら報告しようと決めて、少し休もうと思いルナの隣に寝転がったのだ。