転生したら大嫌いなキャラだったけど何故か主人公に愛されそうです

暖かい光

フェルとキスをして、そして部屋に戻って来てから気付いた。

苦しくない…

今までは胸がずっと痛かったし、呼吸も少し苦しかったのに今はそれは無い。

「ルナ、どうしたの？」

「あ…」

フェルは魔法を使って荷造りをしながら僕を見る。

「胸苦しくないから…」

「僕の魔力を送ったからだね。ん？という事はルナって光属性なのかな？」

「え？」

フェルは荷造りを止めて僕の手を握る。

「フェル？」

「ルナ。手の平に魔力集中させて？」

「う、うん…」

ゆっくり魔力を集中させると、ぱちぱちって音がして黄色の光が現れた。

「胸、痛くない？」

「大丈夫…」

「じゃあこうして…」

「わっ！！」

フェルの魔法が僕の手の平の光に触れると、大きな光の玉になった。

暖かい光が手の平を包む。

「ルナは光属性だね。僕と同じ。けど弱いから複数の属性持ってるかもだけど…」

「そ、そうなの？」

「うん。もし光属性じゃないなら僕の魔法弾かれてるからさ。こうやって調べる事も出来るんだよ？まぁルナに負担がかかるからしたくは無いけど」

魔法は消えてしまったが、フェルと同じ属性なのは嬉しい。

「魔法の勉強も少しづつしていこうね」

「うん…フェル、もう一回魔法見せて？」

「いいけど…」

フェルは光の玉を出す。

「綺麗…暖かいね…」

「そうだね。ルナもこれぐらいはすぐ出来るようになるよ」

「本当？」

「本当。で、ちょっと弄れば…」

フェルは玉を宙に浮かせて指を回す。すると玉がクルクル回り始める。

「わっ、わっ…綺麗…」

「他にも…分裂させたり、戻したりなんかもできるよ」

「凄い…かっこいい。フェル凄い！」

「あ、ありがとう。これはまだ初歩だけどね。」

フェルは光の玉を増やしたりひとつにしたりしてる。

ゲームでは魔法使う場面とかあったけど実際見ると本当に綺麗だ。

「ルナ…」

「フェル…」

フェルは魔法を止めて、僕を抱き寄せる。

そしてキスをされる。

触れるだけのキス。

そして首を吸われた。

「ん…フェル…」

「証だよ。僕のものっていう。」

首を撫でられて恥ずかしくなる。

そして無言のまま、静かな時間を過ごすのだった。