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取られたくない sideルナ
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次の日、朝目が覚めると、体が重かった。
「うっ…」
口を押えて僕は洗面所に向かい、そして嘔吐する。
「けほっ…げほっ…ごほっ」
胸が苦しい。痛い…
「ルナ!!」
「ふぇ…る…」
フェルがやって来て、僕の背中を摩ってくれる。
何度か吐いて、やっと楽になったけど、辛くて目を開けてられない。
「フェル…傍にいて…居なくならないで…」
「居なくならないよ。安心して」
抱き上げられて背中を叩かれる。
しかし、ルナのこの病何なんだろ?
確かゲーム内の設定では不治の病というものがある。ヒロインのアクアが患っているのだが、どんな病なのかは触れない。
ただその病を治せるのはフェルだけという設定はあったけど…
もしフェルが居なくなったらこんな辛い発作に一人で耐えないといけない。
考えるだけで怖くて体が震える。
この世界に来る前も僕は今のルナと同じ発作を良く起こしてた。
あの世界には魔法もないからただベッドで蹲るだけだったけど…
「熱があるね。お粥作ったからそれ食べたら休もうか」
「けど荷物まとめないと…」
「大丈夫。僕が魔法で纏めるからね。だからルナは休んで?」
フェルは僕の額に触れる。
本当に優しい。
口を濯いで、ベッドに下ろされる。
フェルは食事を取りに行ってくれてる。
「暖かい…」
胸元が凄く暖かい。
フェルの魔法…
フェルは光の魔法使いだ。その力はとても優しい力だという。
確かこの世界は生まれついた属性がある。
フェルは光。ならルナは?
実はルナの本来の魔法属性はゲームでは明かされてない。
ルナは邪神の力を使ってフェルを妨害するから。
ちょっと気になる…そう思い魔法を使おうと、意識を集中させる。
「え?うわ!!」
その瞬間、バチバチという音がしてボンッと小さな音がし、目の前に煙が現れる。
「な、なにこれ?」
魔法を使おうとしたのに使えない?なんで?
「いたっ…ぅぅ…いたい…」
胸がズキリと痛み、僕はシーツを握る。
「はぁ…はぁ…なに…これ…」
属性を調べようとしただけなのに、なんでこんなことに…
「ルナ!!」
フェルが来てくれて、抱きしめてくれる。
「どうしたの?何かした?」
「魔法…使おうとしたら…爆発して…胸痛くて…」
「もう。無理しないでよ。魔法なら王都行った時に属性調べてもらおう?ルナ調べたことないでしょ?」
「うん」
そしてフェルは魔法の事を教えてくれる。
フェル曰くこの世界に火、水、風、土とフェルが使う光、そして邪神が使う闇
あともう一つ、二つの属性を宿す人がいる。ちなみに複属性は珍しい
これは王都で調べられるけど、僕はここにずっと居るから調べたことはないらしく、王都に行ったらまず魔法の属性を調べることになっているという。
「魔法ってね、強すぎると毒になるんだよ。体がついて行かなくなるんだ」
「そ、そうなんだ…」
魔法って怖いものだと思う。
「フェルの魔法は綺麗だよね。光属性ってやつ?」
「そうだね。ルナは僕の魔法好き?」
「好きだよ。温かいから…僕も光属性がいいな…」
「別に僕はルナがどの属性でもいいよ。闇なら対比になるし、他の属性だって綺麗だからさ」
「そう?」
「うん。あ、けど魔法属性分かったからって無闇に使うのは禁止だからね。魔法は体力使うし、体弱いルナにはあまり使わせたくないから」
そう言ってフェルは笑う。綺麗な笑顔だ。こんなの見せられたら惚れてしまう。
というか僕はゲームキャラでは一番フェルが好きだ。優しいしかっこいいし…綺麗だし
あれ?けど僕…アクアのことはあまり好きじゃなかったかも?
フェルは好きだけどヒロインのアクアのことはあまり好きじゃなかった気がする。
わがままなとこが嫌だった。
まだアクアには会ってないけど、王都に行けば会うのだろうか?
嫌だな…フェル取られちゃう。
アクアはフェルが好きだから、きっとフェルの所に来る。
ふたりが話してる姿なんて見たくないよ…
「ルナ?どうしたの?」
「え?」
「ご飯食べない?」
「食べる」
フェルに心配されて僕は笑顔で誤魔化す。
きっと本来のルナはこんなに弱々しくもないのだろうけど…というかフェルのこと嫌いだしさ。
けど僕はフェルを取られたくないって思うんだよ。そんな事言えないけどね…
「うっ…」
口を押えて僕は洗面所に向かい、そして嘔吐する。
「けほっ…げほっ…ごほっ」
胸が苦しい。痛い…
「ルナ!!」
「ふぇ…る…」
フェルがやって来て、僕の背中を摩ってくれる。
何度か吐いて、やっと楽になったけど、辛くて目を開けてられない。
「フェル…傍にいて…居なくならないで…」
「居なくならないよ。安心して」
抱き上げられて背中を叩かれる。
しかし、ルナのこの病何なんだろ?
確かゲーム内の設定では不治の病というものがある。ヒロインのアクアが患っているのだが、どんな病なのかは触れない。
ただその病を治せるのはフェルだけという設定はあったけど…
もしフェルが居なくなったらこんな辛い発作に一人で耐えないといけない。
考えるだけで怖くて体が震える。
この世界に来る前も僕は今のルナと同じ発作を良く起こしてた。
あの世界には魔法もないからただベッドで蹲るだけだったけど…
「熱があるね。お粥作ったからそれ食べたら休もうか」
「けど荷物まとめないと…」
「大丈夫。僕が魔法で纏めるからね。だからルナは休んで?」
フェルは僕の額に触れる。
本当に優しい。
口を濯いで、ベッドに下ろされる。
フェルは食事を取りに行ってくれてる。
「暖かい…」
胸元が凄く暖かい。
フェルの魔法…
フェルは光の魔法使いだ。その力はとても優しい力だという。
確かこの世界は生まれついた属性がある。
フェルは光。ならルナは?
実はルナの本来の魔法属性はゲームでは明かされてない。
ルナは邪神の力を使ってフェルを妨害するから。
ちょっと気になる…そう思い魔法を使おうと、意識を集中させる。
「え?うわ!!」
その瞬間、バチバチという音がしてボンッと小さな音がし、目の前に煙が現れる。
「な、なにこれ?」
魔法を使おうとしたのに使えない?なんで?
「いたっ…ぅぅ…いたい…」
胸がズキリと痛み、僕はシーツを握る。
「はぁ…はぁ…なに…これ…」
属性を調べようとしただけなのに、なんでこんなことに…
「ルナ!!」
フェルが来てくれて、抱きしめてくれる。
「どうしたの?何かした?」
「魔法…使おうとしたら…爆発して…胸痛くて…」
「もう。無理しないでよ。魔法なら王都行った時に属性調べてもらおう?ルナ調べたことないでしょ?」
「うん」
そしてフェルは魔法の事を教えてくれる。
フェル曰くこの世界に火、水、風、土とフェルが使う光、そして邪神が使う闇
あともう一つ、二つの属性を宿す人がいる。ちなみに複属性は珍しい
これは王都で調べられるけど、僕はここにずっと居るから調べたことはないらしく、王都に行ったらまず魔法の属性を調べることになっているという。
「魔法ってね、強すぎると毒になるんだよ。体がついて行かなくなるんだ」
「そ、そうなんだ…」
魔法って怖いものだと思う。
「フェルの魔法は綺麗だよね。光属性ってやつ?」
「そうだね。ルナは僕の魔法好き?」
「好きだよ。温かいから…僕も光属性がいいな…」
「別に僕はルナがどの属性でもいいよ。闇なら対比になるし、他の属性だって綺麗だからさ」
「そう?」
「うん。あ、けど魔法属性分かったからって無闇に使うのは禁止だからね。魔法は体力使うし、体弱いルナにはあまり使わせたくないから」
そう言ってフェルは笑う。綺麗な笑顔だ。こんなの見せられたら惚れてしまう。
というか僕はゲームキャラでは一番フェルが好きだ。優しいしかっこいいし…綺麗だし
あれ?けど僕…アクアのことはあまり好きじゃなかったかも?
フェルは好きだけどヒロインのアクアのことはあまり好きじゃなかった気がする。
わがままなとこが嫌だった。
まだアクアには会ってないけど、王都に行けば会うのだろうか?
嫌だな…フェル取られちゃう。
アクアはフェルが好きだから、きっとフェルの所に来る。
ふたりが話してる姿なんて見たくないよ…
「ルナ?どうしたの?」
「え?」
「ご飯食べない?」
「食べる」
フェルに心配されて僕は笑顔で誤魔化す。
きっと本来のルナはこんなに弱々しくもないのだろうけど…というかフェルのこと嫌いだしさ。
けど僕はフェルを取られたくないって思うんだよ。そんな事言えないけどね…
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