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捌、怪しいところ
しおりを挟む「なかなかではないか、それでは、怪しいところを言ってごらん。」しのぶさんはほめてくれたが、罠を感じる。
「そうですね。二つがあると、前にヒントをくれましたので、どこかな~と一所懸命探しました。」
「それで?見つかったでしょう?」
「そうですけど、僕のが見つかったところを教える前に、しのぶさん、三つ質問させてもいいですか?」
「おー、そう来たか?答えられる範囲でね。」
「よっし、では、行きますね。一つ目、しのぶさんは僕に嘘をついたことはありますか?」
「なにそれ?!」
驚愕か、意表を突かれたようだ。
あんなにクールな外見しているなので、意外と冷静さを保つのは苦手かもしれないね。
でも、怒りや憤りを感じない。
「二つ目、僕の顔、カッコいいと思いますか?」
「え、一つ目の質問はそれでいいの?」
「それだけでOKです。二つ目の質問に早く答えてください。僕はカッコいいと思っているでしょう?」
返事は一分間も経った。
躊躇している。
さ、しのぶさん、本能にしたがうか、それとも理性が勝つか?
「カッコいいと思うよ。キッス、いいえ、セックスしたいぐらいカッコいい顔だと思っている。
君の写真を見た時から思っているけど、何か?
私にこんな心理テストを仕掛けて、目的はなんなの?」
見破られたか、さすが!
っていうか、こんなに直球で言われるとさすがに呼吸が乱れる。
さ、スーーーーハーーーー
制服姿を頭から追放!
「光栄です。しのぶさんほど完璧な美人に言われると流石に熱くなりますね^_^!」
「ふん、三つ目の質問はなんでしょう?」
主導権を取り戻したつもりだろうが、しのぶさん、これからだぞ。
「やっぱり三つ目の質問を最後にします。」
「勝手にどうぞ。しかし、わたしの時間がもったいないから、早く答えを合わせよう。」
「急がないで、先にこのケースを振り返らせてください。
まず、犯人は龍治民という人物である。
次に、犯人は心理的に病んでいることが明白である。
最後に、犯行動機は心理的な問題だけではなく、お金目的でもある。
犯行の手法には不思議な点がいくつもあり......」
「そこが怪しいところ?」
「もちろん怪しいですけど、ケースの中にある不可解な点に気を取られるときりがありません。
だって、このケースは解決済みですから、犯人を当てる必要はありません。
犯行の動機、手法ところか、時系列までしっかり揃えております。
しかも、四十年ほど前の中国で起きた事件です。
そこは肝心なところではありません。
肝心なのは僕の能力を使いたいことです。
つまり、しのぶさん、あなたが僕に当ててほしいところは怪しいかどうかではなくて、このケースファイルに存在しない何かでしょう?」
「はははは、君は才能がありますね。」
「さらに、犯人の考えや独り言のような表現がいっぱいあります。
どの国の警察或いは検察機関で作成された文書でも、そのような表現を絶対使ってはいけません。
売れない作家の創作でなければ、僕のような能力者が協力していたことでしょう。
その能力者は逃亡しました?それとも...」
「そう、お亡くなりになりましたよ。」しばらく間がおかれて届いたメッセージは僕に衝撃を与えた。「君が生まれたその日にね。」
しのぶさんから続きのメッセージが来ない。
それ以上の説明をしないつもりだね。
それとも、僕の反応を待っている?
ならば、こちらから行かせていただきます!!
「なるほど、わかりました。ありがとうございます。しのぶさん、」もう一回呼吸を整えて、「では、三つ目の質問に参ります。」
「どうぞ」
「あなたとお坊さんは製薬会社の人間ですか?」
「合格よ。おめでとうございます。
名刺はもう使えるようになったから、指示をちゃんと読んでね。
では、また今度ね。」
僕は携帯を置いた。
「ピンポン」とメッセージの着信音がまた鳴った。
「一つ忘れた。今度会う時、制服を着るかもしれないね。お楽しみに♥」
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実は、王さんと劉さんが龍治民の家に訪れた時、
その生存者の通報によって彼はすでに逮捕されていた。
しかし、容疑は「殺人」ではなく、古墳荒らしだった。
三つの死体が出たことで、特大殺人事件の可能性があると上官に報告した。
1985年5月29日の午後2時ごろ、王さんは所属警察署の警官全員を連れ、借りた車で龍治民の家に向かった。
到着後、野次馬が大量に集まったため、治安を維持するために地元の民兵も招かれた。
「私たちは警察官です。あなたの家から死体が発見されたので、調査しなければなりません。あなたは何かいいたいことはありますか?」王さんは龍の妻である閻淑徳に話した。
下半身が麻痺している彼女は反応せず、ただ警察官たちをぼーと見つめていた。
王さんは警官に車から看板を取り、龍の家の周りを2メートルの境界で囲む現場保護区を設定したが、この時刻は午後4時ごろだった。
だれもが、1時間後には保護区をさらに2メートル拡大しなければならないとは思わなかった。
母屋を捜査した結果、死体以外に明白な犯罪の証拠は見つかっていないが、いくつかの不審点がある。
家の中にはでこぼことした土地があり、いくつかの場所が覆われたように見える。
屋根裏部屋に置かれた木の梯子には、紫色の斑点があり、血のように見える。
そして、閻淑徳の行動は非常に奇妙で理解できない。
進展があったのは西側の窑洞を捜査した時だった。
西側の窑洞の扉を開けようと警官が手を伸ばしたその時、突然左右の扉が跳ね返ってきた。
左側の扉は調理台に当たったのがわかるけど、右側の扉は何か別のものに当たった。
警官は前に進み、扉の後ろにある草の山を蹴ってみた。
草が滑り落ち、車輪のようなものが現れた。
しかし、それは唯一の障害物ではなかった。
車輪の後ろには何か別のものがあって触れた感触は硬くはなく、明らかに壁でもなく、
まるで穀物または肥料のようだった。
彼は草をかき分け、袋が現れた。
それは半透明なプラスチック袋で、窒素肥料が入っている袋のようだったが、
中身は肥料ではなかった…
警官の血液が逆さまに流れたように全身から温もりが抜けた。
彼は西側の窑洞を出て、扉を閉めた。
他の警官たちを見つめながら、何かを言おうとしたが、声一つも上げられなかった。
しかし、彼の顔と目は仲間に新たな発見があったことが伝わった。
王さんはやむを得ず二回目の捜査停止命令を出し、さらに上峰に報告しなければならなかった。
午後5時ごろ、政法を担当する商県共産党委員会の副書記である武克令と公安局の周玉局長が現場に到着した。
その後、党委員会と行政機関の関係者も次々に現場に駆けつけた。
法医の初期鑑定は次の通りになった。
東の部屋にあった三つの死体はどちらも男性で、すでに異なる程度で腐敗し始めており、
死亡日はそれぞれ4日前と10日前だった。
杜家によると、そのうちの一人は確かに杜長英だった。
しかし、もう一人は姜三河ではなかった。
姜の失踪は半年前のことで、もしその時に被害に遭った場合、今ではすっかり腐敗してしまっているはずだ。
西の部屋にあったプラスチック袋に入っていた死体は年よりの男性で、
約50歳くらいで、死亡日は3~4日前だった。
閻淑徳に確認したところ、彼女の言葉は混乱していてやはり理解できないが、
母屋の前にある白菜畑を繰り返し指でさしていた。
白菜畑は庭の中だったため、誰も怪しいと思わなかったが、劉さんはその畑の周りが特に臭いと主張した。
民兵にお願いして掘り起こすことにしたが、その民兵は何回か掘った後、突然手を止めた。
「どうしました?」王さんが尋ねた。
その民兵は答えず、非常に緊張しているようだった。
土を掘り返すと、まだ腐敗していない茅草の葉が含まれていた。
「続けてください。」 王さんが促した。
その民兵はさらに茅草の葉を掘り返したその時、彼は突然後に下がり、
まるで蛇が手に絡みついたように大声を上げ、鍬を投げてその場から逃げた。
野次馬の村人たちが周囲に押し寄せ、警官と民兵たちによって抑えられた。
鍬の先っぽには何かが付着しており、掘った場所を見ると、
赤い液体が浮かび上がり、土を湿らせていた。
この時刻は夕暮れの7時過ぎで、夕日が空を血のように赤く染めていました。
結局、その日に龍治民の庭で見つかったのは三つの埋め穴だった。
それぞれ東にある豚小屋の地下、西側の窑洞の前、そして真ん中の白菜畑の地下にあった。
三つの埋め穴の形状は南北に長さ2メートル、幅1メートル、深さ1.5メートルだった。
計四十四体の死体が整然と並べられ、手足は鋭利なもので胴体から切り離され、
碁盤の目のように綺麗に揃えていた。
銀山の弟、三河は豚小屋の地下から見つかった。
部屋にあった四つの死体と合わせると被害者は四十八名に上った。
指揮者たちも含め、誰もが冷静さを保つことはできなかった。
現場の野次馬はさらに興奮して、埋め穴に親族がいないかを確かめようと保護ラインを突破しようとしていた。
その後、武装した軍隊が車で西安市内から駆け付け、地元警察と民兵の代わりに現場を封鎖した。
最終的に、龍治民はもちろん死刑判決を受け、すぐ執行された。
彼の妻である閻淑徳も犯行に協力したと判断され、執行猶予付きの死刑判決になった。
↑↑↑↑真ん中のは龍治民本人↑↑↑↑
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