物置小屋

１人向け・看病系

任されたこと(優しい死神)

…熱が高いみたいだ。少し休んだ方がいい。
君が休んでいる間に僕は僕の仕事をすませる。
君は何も見なくていい。今は夢の中でおやすみ。

ここは君の夢の中。…みたいなものだ。
お腹が空いたならこれ食べて。一応本のとおりに作ったから、不味くはないはず。
ゆっくりでいい。何も考えなくていいから、とにかく元気にならないと。
具合が悪いときくらい他人を頼った方がいい。
…僕は君のお姉さんじゃない。
だけど、こうやって看病することはできる。
他に欲しいものは？…ぬいぐるみって、これのこと？さっき手直ししたんだ。
君のお姉さんに頼まれた。寂しくないように、お友達を治してくれって。
他に必要なものは？何もないなら一旦失礼するよ。
もし明日まだ体調が悪かったらまたご飯を作りに来る。
お姉さんに頼まれたからね。…君のこと、離れていてもずっと大好きだって言ってた。
…それじゃあ、さようなら。

まさかさいごの願いが妹の看病とは…珍しい人間だったな。
命を狩る僕が延命行動をとるなんて、もう一生ないかもしれない。
さっきのことも忘れてしまうかもしれない。
…願わくば、いつか姉妹が再会しますように。
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
優しい死神の話にしました。