物置小屋

１人向け・イベント系

木陰と陽光(プロポーズ)

ただいま。なに驚いた顔してるの？
そうだった。俺、死んだことになってるんだっけ。
ごめん。誰にも言わないでほしい。
俺が生きているとなれば面倒なことになるから。
国を守った？…そんなふうに言ってくれるんだね、君は。
騎士団長が言ってた？…優しいな、あの人は。
何があったか知りたい？分かった、ちゃんと話す。
隣国の騎士と接触して、お互いが誤解していることが判明したんだ。
向こうは俺たちの国がテロ行為をおこなったと話していたけど、そんな事実はない。
逆に隣国製の爆弾が使われたこちらの事件を相手は知らなかった。
つまり、わざと争いを起こして得をしている人間がいることが判明した。
そして会談の日、この国の使者として招かれた俺を首謀者が撃った。隣国の大臣は顔を真っ青にしてたな…。
そこで俺は死んだことになった。その方が諜報活動をやりやすくなるから。
だからごめん。君との約束、守れそうにない。
俺と一緒にいると君は苦しむ。だったら、このまま離れた方が…なんで抱きつくの？
一緒に来るつもり？そんなことをしたら、君まで狙われるかもしれないのに。
…好きだよ。嫌いになるはずないでしょ。
好きだからこそ幸せになってほしいんだ。
俺といると、太陽の下を歩けない。君に日陰は似合わない。
…それでも、約束を守りたいの？参ったな。
本当にいいんだね？…分かった。ならこれを渡しておく。
プロポーズ、生きて帰れたらやり直させてって言ったでしょ。
後悔しても離してあげられそうにない。
どれだけ言葉を尽くしてもこの想いを伝えられそうにない。
不器用で、一生日陰で生きていくって決まってるけど…俺だけの太陽でいてくれますか？
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プロポーズの話にしました。