物置小屋

１人向け・other

溶けて消える(物念・心中)

……疲れた？いいよ、僕は君についていくから。どうやって終わらせようか。
僕は疲れてないよ、大丈夫。だけど、君は大丈夫じゃないんじゃない？
謝らないで。責めるつもりはないから。
ただ、歩くペースが速い気がしたからどうしたんだろうって思っただけ。
もう少しゆっくりでもいいんじゃないかなって…。それとも、ゆっくりの方が辛い？
さっきも言ったけど、僕はずっとついていくよ。
だから、絶対に手を離さないでね。
君は、自分にできることをせいいっぱい頑張った。
それで限界がきたから今に至るわけで…。
すごく傷ついている人に、頑張れなんて言えないよ。
今日まで沢山頑張ったね。ずっと苦しかったよね。
僕には何もできなかった。
だからせめて、さいごの瞬間まで一緒にいさせてほしいんだ。
君がここにいたんだってことを、ちゃんと覚えていたいから。
…綿と布でできたこの体を撫でながら、友だちだって言ってくれた優しい君のことを。
君がいてくれたから寂しくなかったよ。ボクを大切にしてくれて、本当にありがとう。
人間たちの世界でどう思われていたかはなんとなく知っているけど、ボクは君の思いやりを否定しない。
どこに行ってもずっと一緒だよ。…お礼を言われるようなことはしてないよ。
ボクたちはずっとふたりぼっちだ。
……ここからどんな世界に行くのかな？次の世界では、君が心の底から笑えますように。
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心中ものっぽい話にしました。