物置小屋

１人向け・other

、背中を押した(心中)

…僕たちは、なんのために生まれてきたんだろうね。
こんなふうに殺されるため？それとも、殺すため？
いいよ。君になら殺されても。
どうせもう自由がなくなるところだったから。
行きたい場所があったんだ。
欲しいものがあったんだ。
だけど、結局何もかもこの手のひらから零れ落ちて…もう疲れた。
一度でいいから、誰にも邪魔されずに君と話をしてみたかったよ。
ああ、今できているのか。
家が敵対しているからっていがみ合うふりをしないといけないのも辛かった。
全部やめたかったんだ。…だから、君になら今ここで殺されてもいい。
それで両家の対立が終わるならそれでいいよ。
…どうしたの？やらないの？
君もそうなの？…なら、ふたりで終わらせる？
僕はそれでもかまわないよ。ずっとやめたくて、ずっと終わらせ方を探ってた。
だけどもし、君も一緒にいてくれるなら寂しくない。
…ずっと好きだった。ううん、好きだ。
そんな言葉じゃ表現できないくらい、感情がぐちゃぐちゃになりそうなくらい。
…そろそろ他の追っ手が来てしまう。どうする？
これだけ高いと流石に助からないだろうね。
僕とどこまでも進む覚悟、ある？…分かった。それならそろそろ行こう。
僕たちなりに出した答えを誰も否定できない。
誰にも否定させない。
…さあ、行こう。これで対立が少しでもなくなることを祈って。
僕たちみたいな末路をたどる人たちが減ることを祈って。
ふたりでどこに向かおうか。ずっと君についていくよ。
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
心中ものにしました。