物置小屋

１人向け・看病系

決死の逃走理論(リセッター)

…わけありみたいだな。
こんばんは。怪しいものではないので、そこまで警戒しないでもらえるとありがたいです。
足、怪我をしていますね。少し失礼します。
…場所を変えましょうか。


…さて。ここまでくれば追っ手もこないだろう。
君が話したくないなら話さなくていい。
だけどもし、助けが必要なら話してほしい。
…その傷、人為的につけられたものでしょ？
僕は檻の外に出る手伝いをしているんだ。
お代はもらうけど…それはお金とは限らない。
…君は掃除が得意そうだね。
それならこの部屋と向こうの部屋の掃除をしてくれればいい。
もし荷物があるなら取りに行ってくる。
他にやりたいことがあれば…計算？
別におかしいだなんて思わない。
それなら、これ。…事務員としてやってみて。
今からやろうとしない。
怪我をしているし、顔色もよくない。
どうしてここまでするのか、か。
依頼者たちから聞かれることがあるけど、僕はただ自分にできることをやっているだけ。
君の部屋はそこ。
仕事を探したいならここで雇う。
すぐ逃げるのは難しいだろうし、今は居場所を特定されないことが最優先だろうから…。
心配しなくていい。知り合いの警察官に事情を話しておくから。
今夜はもう休んで。…別に、お礼を言われることはしてない。
横になってゆっくり眠ってて。

…どうして、か。
僕が1番助けてほしかったとき、誰にも助けてもらえなかったから。
なんて、誰にも言えるわけない。
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シリーズものだったようなので、かなり久しぶりですが綴ってみました。