物置小屋

１人向け・看病系

その願いは愛ゆえに(元・執事)

……ああ、目が覚めましたか。
そのまま横になっていてください。何か食べられそうなものを用意いたしますので…。
あなたは少し前、突然倒れました。
医師によると、不眠による過労と熱中症だろうとのことです。
お嬢様、水分補給はしっかりしてくださいとあれほど申しあげたでしょう？
これでも私、結構怒っているんです。
…なんて言っても、君はまた無茶するんだろうけど。
もしまだ調子が悪いようなら病院に連れていく。
友人に頼めば診察してくれるはずだから。…どうする？
俺は謝ってほしいわけじゃない。…ただ、もっと自分を労ってほしいだけ。
いきなりこんなことを言っても難しいのは分かってるつもりだけど、もっと自分を甘やかしてほしいんだ。
…できない間は俺が気をつけてひたすら甘やかすけど。
もしかして、ちょっと照れてる？…可愛い。
取り敢えず林檎をすりおろしたのを持ってきたけど、食べられそう？
それじゃあ口開けて。いいから、ほら。
…よかった。熱は下がってるみたいだし、今夜はこのまま休んで。
どうしたの？何か困りごと？
……そういうことか。いいよ、今夜はこの部屋にいる。
昔みたいに手を繋いで離さないから、安心して目を閉じて。
もし怖い夢を見たら、そのときはなんとかする。
…今夜はよく眠れるといいね。
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元・執事の話にしました。