物置小屋

１人向け・慰め系

見えない糸口(箱庭-2)

…なんだか元気ないね。何かあった？
そっか、嫌なことを思い出したんだ…。
僕はそんなこと思わないよ。
どれだけ昔のことだって、過去だからって簡単に忘れられちゃうことと苦しみがつもっていくものがあると思うんだ。
…僕には人間の感情があまりないけど、君のことはなんとなく分かる。
昔のことなのにとか、いつまで引きずるんだとか…そんなの、被害者以外に言う資格はないと思う。
どれだけ昔のことだろうと、やられた方は大なり小なり心に傷を負っているでしょ？
少なくとも君はそうだよね？表に出さないだけで、多分傷だらけだ。
だからこの箱庭にずっといようって思ってるんだろうなって…。
そういえば、新しいものができていたよ。
君が創り変えられる世界だから、何か知ってるんじゃないかと思ったんだけど…海？
これが海っていうものなんだね。ここは苦しくならない？
それならよかった。…君がここに来てから488日。
現実に戻りたいとは思えない、よね。今でも苦しくなるのに、現実はその何百倍も辛いことばかりで…。
言ったでしょ。ここは君の世界だから、君を苦しめるものは何も現れないよ。
それに、戻るか戻らないかは君が決めていいことだから。
戻るなら応援するし、戻らないならずっと支える。
どっちみちこの場所はなくならないから安心してね。

海を見ている彼女の目、きらきらしてたな…。
もっと僕にもできることがあればいいのに。
今は見守ろう。彼女がどんな答えを出しても、苦しむことがないように。
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おそらく久しぶりに箱庭シリーズで綴ってみました。