物置小屋

１人向け・イベント系

色々な世界へ行ける場所(失声症)

やっぱり今日は混んでるね。会計を終わらせたら一旦帰ろうか。
そっちの方が重いでしょ？俺が持つよ。
手、しっかり繋いでてね。


夕飯、何食べたい？…ずっと俯いてるけど、何か考え事？
『ごめんなさい』…どうして謝るの？
大丈夫だよ。ちゃんと待つから。
『私がこんなんじゃ、レストランに行くのも難しい。行きたい場所があったはずなのに、我慢させたでしょ？』…そんなことないよ。
自分の買い物もできたし、君がいてくれればそれで充分だから。
あと、自分がこうじゃなければなんて言わないで。
話せなくても楽しめる場所だって沢山あるし、そんなふうに言われるのは悲しいよ。
『負担になってしまうのは嫌だ』…言ったでしょ、そのままの君が好きだって。
そうだ、もしよかったら今夜つきあって。…行きたい場所があるんだ。


夜の図書館。今の時期限定でやってるんだって。
ここなら静かに、それもほぼふたりきりでいられるでしょ？
目をきらきらさせて…本当に読書が好きなんだね。
どうしたの？『ありがとう』…俺も来てみたかったから。
どの本から読もうか。あと3時間くらいいられるはずだから、館内をゆっくりまわろう。
君のお気に入りのシリーズ、置いてあったらいいね。
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失声症の恋人とのデートの話にしてみました。