物置小屋

１人向け・other

繋ぐ道標(約束)

…こんな夜遅くにそんな場所にいたら危ないよ。
もし落ちちゃったらどうするの？
ほら、掴まって。もし時間があるならちょっとつきあって。…どこに行くかはお楽しみ。


ここから見える星が綺麗で、お気に入りの場所になってるんだ。
だけど、今日は曇っててよく見えないな…。
ねえ、君さえよければ明日ここで会わない？
きらきらしていて、嫌なことを全部忘れさせてくれるような景色が見られるよ。
道が入り組んでて分かりづらいようなら、さっきの場所まで迎えに行くよ。
…俺のお願い、聞いてほしいな。ありがとう。約束だよ。
お礼にこれあげる。さっき近くのお店で買ったんだけど、流石にコーヒー2杯は飲みきれないから…よかったらどうぞ。
どうして声をかけたのか？理由、必要？
強いて言うなら、同じ景色を見る仲間が欲しかったから。
たまたま君が歩いているのを見かけて声をかけたんだ。
それを飲んだら帰った方がいいよ。最近物騒だしね。
それじゃあ、また明日。

…よかった。これで彼女を繋ぎ止めておける。
約束を破られて、裏切られて…そんな噂は聞いたけど、流石に無理矢理聞き出すのは嫌だし…。
俺のエゴだけど、彼女が生きていてくれるならそれでいい。
いつか笑ってくれるまで、一緒にいられたらいいな。
…それで、もう二度とあの人みたいな思いをする人を減らせたら、俺がここにいる意味もあるよね。
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覚悟した人の目を見抜いた話にしてみました。