物置小屋

１人向け・慰め系

痛みが和らぐように(傷痕)

そろそろご飯にしようか。そんなに謝らないで。
僕が作りたい気分だったから作っただけだし、気を遣う必要なんて全然ないから。
寧ろ、君と食べられる夕食を楽しみにしてたくらいだし。
それじゃあ、いただきます。…さっきから腕を気にしてるけど、もしかして傷痕のこと何か言われた？
…やっぱり。なんだか落ちこんでるように見えたから、何かあったんだろうなって思ったんだ。
言ったでしょ、僕は気にしないって。
だけど、どうしても気になるなら…これ使ってみて。
アームカバー、傷痕を隠すには丁度いいと思ったんだ。
あとはメイク道具。敏感肌の人でも使えるらしいし、これなら袖を捲っても大丈夫だよ。
ご飯食べてから試してみよう。僕はこの前転んでできたあざを隠すために使ってみたいと思ってたんだ。
お礼を言われるようなことはしてないよ。君が笑ってくれてよかった。

ごちそうさまでした。…さて、片づけも終わったし早速やってみようか。
こっちの雑誌によると、まずはこれを使って…。

完成。たしかにしっかり隠れたね。ほっとした？
僕は傷痕も個性なんだって思うけど、社会にはそう思わない人たちも沢山いて…結構生きづらいよね。
冗談だって言いながら言葉のナイフを突き立ててくる人もいるし、頭の中が苦しいことでいっぱいになることもあると思う。
君がどんなことを言われたのか、言いたくないなら聞くつもりはないけど…辛くなったら僕のことを思い出して。絶対君を護るから。
ごめん、泣かせるつもりじゃ…嬉しい？
僕にとっては普通なんだけどな…。ねえ、抱きしめてもいい？
もう泣くのを我慢しなくていい。傷ついたならその分ここで好きなことをして過ごして、嫌なことを吹き飛ばしちゃおう。
心配しなくても、僕はずっと隣にいるから。
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火傷の痕がぶりかえしてきたので綴ってみました。
心の傷は人から見えないように隠せても、体の傷は隠すのが難しい気がします。