物置小屋

１人向け・看病系

俺だけが知っている(元・執事)

…お嬢様。目が覚めましたか？
頭が痛い？それはそうでしょうね。あれだけお酒を飲んだんですから。
あなたは酔っ払って廊下に倒れたんです。一瞬何がおこったか分からなくて焦りましたよ。
お酒なんて、飲んでない？…ふうん。じゃああれは何？
あれは水じゃないよ。結構強めのお酒。
晩酌用に入れておいたのを勝手に飲んだんでしょ？
君、あんまり強くないからすぐ酔っちゃって…ちょっと大変だった。
いいよ、別に。そんなに謝らなくていい。
むしゃくしゃして飲んだなら怒るけど、間違えて飲んじゃったなら仕方ない。
俺も紛らわしい置き方してたし、気づかないのも無理ないよ。
しじみの味噌汁作ったけど、飲めそう？
ここまで持ってくるからちょっと待ってて。

おまたせ。あと水飲んで。これはただの水だから。
…迷惑？特に何もなかったよ。
言ったでしょ、怒ってないって。にこにこしてた？全然意識してなかった…。
本当に何もなかった。強いて言うなら、今夜は悪夢にうなされていなさそうでよかったって思ったんだ。
本当にそれだけだよ。何か他に必要なものはある？
…眠れそうにない？それなら一緒にいる。
着替えてくるから、その間に味噌汁飲んでて。

…ちゃんと誤魔化したつもりだったのに。
まさか寝てる間、あんなに甘えてくるとは思わなかった…。
それに、あれだけ愛してるって連続で言われたら…駄目だ。思い出しただけで恥ずかしくなってきた。
なんとか平静を装わないと。
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元・執事シリーズにしてみました。