物置小屋

１人向け・慰め系

仮初の場所(箱庭-2)

…なんだかぼんやりしてるね。何かあった？
そっか、また嫌なことを思い出してたんだ…。
もしかして、僕じゃ癒やしきれてない？ごめん、こんなこと言ったら困らせちゃうよね。
時々不安になるんだ。僕がもっとしっかりしていたら、君の苦しみを取り除けたんじゃないかって…。
…本当に僕でいいの？そう言ってくれるのは嬉しいけど、君は優しいから…。
…救われた？僕に？僕はただここにいただけで、君が過ごしやすい世界になるように手伝っただけで…。
こんなに真剣に手伝ってくれる人を知らない、なんて…そんなふうに思ってくれていたんだね。
君が好きなものや好きな場所を作っているだけで、箱庭にしかいられないし…。
手を繋ぐの？こう？…そっか、こういうぬくもりを感じたことがなかったって言ってたね。
今もやっぱり、現実には戻りたくないの？…分かった。それなら僕がここでずっとサポートするよ。
元気がなかったのは、現実のことを思い出したから？
どうしたら傷が消えるかな…そうだ。ねえ、この景色って見覚えある？
昔遊んだ場所？…何となく、僕の中にあるイメージを形にしたんだ。
僕は君の理想を作り出すことしかできない。
だけど、君に笑っていてほしいのは嘘じゃない。
…ねえ。帰りたくなるまで、また君のやりたいことを聞かせて。
少しでも沢山叶えたいんだ。そのための場所だから。
それで、君のことを癒やさせて。…どうして笑っているの？
まさか、嬉しいからなんて言われるとは思わなかった。
僕の方こそいつもありがとう。
また素敵な物語ができあがったら読ませてね。
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箱庭-2シリーズにしてみました。