物置小屋

１人向け・看病系

変化、少しずつ(元・執事)

ただいま。…どうかした？
なんでそんなに顔青いの？どこか具合が悪いんじゃ…。
食器を割った？…へえ。お嬢様、その場に正座してください。
それで、さっきから隠している両手をこちらに出していただけませんか？
…無理？だったら強硬手段を使わせていただきます。
…相変わらず脇腹が弱いんだね。やっぱり怪我してる。
いいからそのまま動かないで。足は崩していいけど、無理しないでそこで座ってて。
怒ってないよ。食器を割ることくらい誰でもあるから、そんなに落ちこまないで。救急箱とってくるね。

おまたせ。手、よく見せて。今日は結構雷鳴ってたし、嫌なことを思い出しやすかったんじゃない？
…フラッシュバックするのは仕方ない。なかったことにするなんて、そう簡単にできないだろうし…。
でも、あの家にいた頃より笑顔が増えたのは嬉しい。
完全に忘れるのが無理でも、少しずつ薄まってくれたらいいな…とは思ってる。
はい、これで終わり。次から気をつけてね。怪我したら痛いから。
食器はもう片づけたよ。そんなに早かった？
…それはまあ、執事でしたから。
夕飯造り、俺もやる。あと何したらいい？
分かった。それじゃあ君は盛りつけ担当ね。
また怪我したら大変でしょ？スープは俺がやるよ。
…こんなふうにふたりで作るの久しぶりだから、なんだか楽しい。
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締めがゆるくなってしまいましたが綴ってみました。