物置小屋

１人向け・other

拝啓、唯一愛したあなたへ(手紙)

拝啓

君がこの手紙を読んでいる頃、僕はこの世にいないと思います。
…なんて書いて、生きていたら笑ってください。というか、黒歴史になるから破り捨ててください。
読まれるかどうかも分からない手紙だから、ずっと言えなかったことを書いておこうと思います。
いつもお見舞いに来てくれてありがとう。
君だけはいつも病室まで来てくれて、一緒におやつを食べたこともあったよね。
沢山笑ってくれてありがとう。
君が笑顔でいてくれるから、僕も笑っていられたんだ。
それから…最後まで一緒にいてくれてありがとう。
調子が悪いときも手を握っていてくれたし、寝ているときもずっとそうだったって看護師さんが教えてくれました。
病気でしょっちゅう迷惑をかけて、君を困らせてばかりでごめん。
僕のことを忘れて幸せになって。僕のことは気にしなくても大丈夫。
君の幸せが僕の幸せになるから。
だけど、もうひとつだけ迷惑をかけさせてください。
僕のことを忘れないで。…というより、年に何回かでいいから思い出してほしい。
僕の命日と誕生日、あとは君と初めて会った日…つまり、君が僕と病院で話をするようになった日。
僕には家族がいないから、僕という存在がいたこと自体がなくなりそうで怖いんだ。
臆病で申し訳ないけど、それだけお願いします。
君から沢山幸せをもらったから、僕はもう満足です。
だけど、君は後を追おうとしないで。君の人生を、笑って生きてほしい。
我儘ばかりになってしまったけど、君の優しさを受け取ってくれる人が必ず現れるから。
君のことは、言葉にできないくらい好きだった。…愛してるよ。どれだけ離れていても、勝手に君を想っています。
君が来るまでのんびり待ってるから…お土産話、楽しみにしてるね。
それじゃあ、またいつか。
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今回は手紙だけで綴ってみました。