物置小屋

１人向け・イベント系

毎年見る光景(お墓掃除)

…そろそろ起きないと、乗り過ごしてしまいますよ。
大丈夫です。荷物は持っていますから。では、行きましょうか。


…で、こっちか。なんでそんなにぼんやりしてるんだ？
もう慣れたのかと思ってた。外だとどうしても素を出せないんだよ。
今はおまえとふたりだからいいけど、誰か来たらスイッチが入る。
…可愛いだって？その言葉、俺は嬉しくない。
それより、今年も行くんだろ？そのために来たわけだし。
ほら、手。水は重いから俺が持っていく。別に礼を言われるほどのことはしてない。
あと、今朝からなんでそんなに謝ってるんだ？…別に負担だなんて思ったことねえよ。
おまえを大切にしてくれた人たちの墓掃除を、苦痛だとか迷惑だなんて思わない。
寧ろ、おまえの心が綺麗なままでいられるのはおじいさんたちのおかげだからな。
…今年も結構生えてるな。まずは雑草を抜くところからはじめるぞ。

こんなもんか。拝んで下まで降りたら、自販機で飲み物買おう。
熱中症になったらどうするんだ。
…ほら、これ。電車が来るまで時間あるし、少し休憩しよう。
開けられない？…ほんと、そういうところが可愛いんだよな。
なんでもない。これで飲めるだろ。…聞かせろよ、小さいおまえの話。
飽きてない。寧ろ俺が知らないおまえを知れるのは、その…ちょっと楽しい。
電車が来るまであと2時間、ゆっくり話してくれればいい。
どんなことでも受け止めてやる。
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お墓掃除、意外と筋肉痛になります。