物置小屋

１人向け・イベント系

心のファインダー(花火・記憶障害の恋人)

ただいま。遅くなってごめん。…もう準備万端みたいだね。
カレンダーに印をつけていたもんね。
どうしてそんなに申し訳なさそうにしてるの？
…いつも言ってるでしょ、明日の君が今夜のことを知らなくても、俺がちゃんと覚えてるって。
それに、君はいつもこまめに日記をつけているから大丈夫だよ。
そろそろ行こう。花火、きっと綺麗だから。


りんご飴、売っててよかったね。
いつも買うくらい好きなんでしょ？前回来たときは売り切れてたから…。
そろそろ場所を移動しようか。手、離さないでね。

ここで見ると1番綺麗に見えるんだ。これも前回発見したこと。
人も少ないし、この場所ならベンチでまったり見られるでしょ？
ほら、始まった。…やっぱり綺麗だね。花火も、君も。
今ちょっとどきどきした？そういうところも可愛い。
どうかしたの？あ、そのランタン、この前買ったやつ？
たしかに、それがあればどこでも想い出を書き留められるね。
花火の写真はどうする？…分かった、それじゃあ1枚だけ撮っておくね。
きっと君の心のどこかに、今夜見た景色がつまっているだろうから。
負担だなんて思わないよ。寧ろ、これから先も一緒にいたいって思う。
…よかった、やっと笑ってくれた。
なんでもないよ。今夜の君の笑顔を、明日の君にどうやって伝えようか迷ってただけ。
それじゃあ、行こうか。手、離さないから。
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記憶障害の恋人で綴ってみました。