物置小屋

１人向け・慰め系

隔離へのいざない(あるバーの話)

こんばんは。いらっしゃいませ。
ご注文はお決まりですか？…申し訳ありません。トリカブトは置いておりません…。
冗談に聞こえませんでしたよ。
…もう疲れちゃった？今までひとりでよく頑張りました。
もう頑張らなくていいんだよ。
君は充分努力した。周囲の人間を理解しようと必死になって、でも結局駄目で…。
たまたまこの世界と、周りの環境に合わなかっただけ。
それだけで排除されるなんて、恐ろしい世界だ。
…あなたは好きなだけここにいていいんです。
このバーにやってくるってことは、それが望みなんだろうから。
解決する悩みなら解決するけど、それが無理ならこの世界から消えるしかない。
物理的に消えたいと願ったお客様もいたけど、見たところ君はそこまで考える気力も残ってなさそうだ。
だったら、答えが出るまでここにいればいい。
色々なお酒にご飯、デザート…食べ物なら絶対困らない。
それに、お客様が嫌がることはしないんだ。
部屋ならそっちが余っているのでよければどうぞ。
…あなたはいつここに来ても、誰のことも責めなかった。
それはいいことなのかもしれませんが、それであなた自身が追い詰められてしまっては意味がない。
こんな提案をのむほど絶望を抱えているなら、外のことなんか考えずにただここでのんびり過ごしてください。
…あなたが苦しみから解放されるなら、いつまでだって部屋をお貸ししますから。
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あるバーの店主と、現実に絶望したお客様の話にしてみました。