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1人向け・イベント系
拝啓、小雨の日には(手紙・黄泉行列車)
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拝啓
小雨が降る日になると、あなたのことを思い出します。
初めて会ったとき、君はびしょ濡れになりながら走っていて…。
あの日、勇気を出して声をかけられたことが俺にとって1番の奇跡だったんだと思う。
今でも鮮明に思い出せるよ。君のことを救えて本当によかった。
俺にとってはそれが誇りなんだ。
一緒にいられてすごく楽しかった。
俺のことを幸せにしてくれてありがとう。
そんな君にはずっと笑っていてほしい。
これからも幸せに過ごしてほしい。
カフェで美味しいお茶を飲んだり、行きたいって話てた植物園に行ったり、星を眺めたり…きっと楽しいよ。
…たまにでいいから、俺とよく食べてたお菓子を食べて、思い出してくれたら嬉しいな。
矛盾したことを言うけど…辛かったら俺のことなんて忘れてもいいから、これから先幸せになってね。
どれだけ遠く離れていても、俺がずっと覚えているから。
あんまり早くこっちに来ちゃ駄目だよ。
…書けました。ごめんなさい。俺、手紙ってあんまり書いたことなくて…。
彼女を泣かせてしまうと分かっていても、こんなふうにしか書けないんです。
まさか自分が死んじゃって、こんな素敵な列車のなかで手紙を書くことになるとは思っていませんでした。
ここで書いてもきっと届かないんだろうけど、彼女が幸せに過ごしてくれればそれでいいんです。
…届くと信じている、か。素敵な考え方ですね。
そろそろ終点か。…車掌さんのおかげでいい旅になりました。
ありがとうございました。
彼女の幸せだけを祈っています。…それじゃあ、またいつか。
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今回は黄泉行列車のお客様視点で手紙を綴ってみました。
小雨が降る日になると、あなたのことを思い出します。
初めて会ったとき、君はびしょ濡れになりながら走っていて…。
あの日、勇気を出して声をかけられたことが俺にとって1番の奇跡だったんだと思う。
今でも鮮明に思い出せるよ。君のことを救えて本当によかった。
俺にとってはそれが誇りなんだ。
一緒にいられてすごく楽しかった。
俺のことを幸せにしてくれてありがとう。
そんな君にはずっと笑っていてほしい。
これからも幸せに過ごしてほしい。
カフェで美味しいお茶を飲んだり、行きたいって話てた植物園に行ったり、星を眺めたり…きっと楽しいよ。
…たまにでいいから、俺とよく食べてたお菓子を食べて、思い出してくれたら嬉しいな。
矛盾したことを言うけど…辛かったら俺のことなんて忘れてもいいから、これから先幸せになってね。
どれだけ遠く離れていても、俺がずっと覚えているから。
あんまり早くこっちに来ちゃ駄目だよ。
…書けました。ごめんなさい。俺、手紙ってあんまり書いたことなくて…。
彼女を泣かせてしまうと分かっていても、こんなふうにしか書けないんです。
まさか自分が死んじゃって、こんな素敵な列車のなかで手紙を書くことになるとは思っていませんでした。
ここで書いてもきっと届かないんだろうけど、彼女が幸せに過ごしてくれればそれでいいんです。
…届くと信じている、か。素敵な考え方ですね。
そろそろ終点か。…車掌さんのおかげでいい旅になりました。
ありがとうございました。
彼女の幸せだけを祈っています。…それじゃあ、またいつか。
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今回は黄泉行列車のお客様視点で手紙を綴ってみました。
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