物置小屋

１人向け・慰め系

命賭け(タイトルそのまま)

どうしたの、こんな場所でひとりなんて…。
流石にこの高さからジャンプしたら、君でも無事じゃすまないよ、
ダンスのときに飛び跳ねるのとはわけが違うんだ。…屋上から飛んだら、どうなるか分からない。
何かあったんでしょ？俺でよければ話してみてよ。
力になれるか分からないけど、何も知らないのに頑張れとか無責任なことは言えない。
…居場所がない、か。その気持ちは少しだけ分かる気がする。
自分が好きなことを否定されたり、他の人はできているのにどうしてできないんだ、とか言われると傷つくよね。
俺も経験あるんだ。…今はひとりで暮らしてるから快適だけど、逃げ出せないくらい追い詰められてるんでしょ？
だったら俺の家においで。少なくとも、君を罵倒したりしない。
俺は好きだよ。君のダンスも…君自身も。
自分なんか駄目なんだ、なんて思わなくていい。
人間誰しもどこかしら欠けていて、なんでもできるってわけじゃないんだ。
まだ出会ったばかりだけど、さっき言ったことは出任せじゃない。
俺は君自身に惚れたんだ。
君の周りがどう思ってるかなんて知らないけど、俺は君が君のままでいられたらいいと思ってる。
病気のことも責めたりしない。
いつかいいことが、じゃなくて、今から君にいいことを届けるよ。
だから…今夜は一旦、死ぬのを休憩してくれないかな？
…生きていてくれてありがとう。それだけで充分頑張ってる。

…少し落ち着いた？謝らないで。俺が止めたくて勝手にやったことだから。
君が成人していてよかった。未成年なら法律云々があるから大変だけど、君をあの家から出せる。
俺の家においで。余ってる部屋があるから、明日までに荷物をまとめておくこと。
朝イチで迎えに行くから。…約束だよ。
できればこのまま放したくないけど…戻りたくない？
分かった。それなら明日、一緒に荷物を取りに行こう。
今夜はうちでゆっくりしていって。
お礼を言われるようなことは何もしてないよ。
…君と一緒に明日を迎えられるなら、それだけで充分だから。
冷えないうちに行こうか。…いつか君の心も、ぬくもりでいっぱいになりますように。


よかった、ぐっすり眠れてるみたいだ。
…もし、どうしても消えたい衝動が抑えられなかったら、そのときは一緒に行くよ。
君を支えきれなかったとしても、ずっと一緒にいるから。
明日から少しにぎやかになるな…。
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今回は救われる可能性がある展開を綴りたかったのでやってみました。
タイトルどおり、命を賭けて彼女を止めた彼の話にしました。