物置小屋

黒蝶

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1人向け・慰め系

たったひとつの安息地(箱庭-2)

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あれ、どうかしたの?…現実がどうなっているか知りたい?
それはいいけど、突然どうしたの?…そっか、悲しい話を書いていて苦しくなっちゃったんだね。
だからより大きな悲しみで忘れたいと思った…当たってる?
そっか。それじゃあ、これ。今から写すよ。

…大丈夫、なわけないよね。ねえ、抱きしめてもいい?
少しでもいいから君の痛みを知りたいと思ったんだ。
誰もいない病室に、外の世界で噂する人間たち…君にとっては毒になるものばかりだったでしょ?
上手く言えないけど、僕はずっと味方でいるから。
現実がどれだけ残酷か、ここにいる君を見ていて少し分かってきた気がする。
誰かにとって楽しい世界でも、君にとっては笑顔でいられない世界だったんだよね?
みんなと同じを強要されて、蔑まれて苦しくて…自分が好きなものも否定された。
誰だってそんな世界にいたいって思うはずがない。
この場所は君の思いが形になった場所だからか、余計に分かる。
僕は人間のことなんてよく知らないし、多分知る機会もない。
だけど、君が優しい人で今でもずっと苦しい思いを抱えてることは知ってるよ。
僕じゃ役に立てないかもしれないし、君を傷つけてしまうこともあるかもしれないけど…この箱庭は君の味方だよ。
僕もそうだけど、この箱庭の世界は君のことを護る。
だから、心配しなくていいんだよ。
それは勿論、いつか君が戻りたいと思えたときに現実にも戻れればいいなって思うけど…戻れって言ったら追い詰めることになる。
現実が苦しくて居場所を求めたのに、その居場所からも追い出されるような形になるって変でしょ?
…大丈夫だよ。君が望んでくれる限り、僕はここにいるから。
疲れたでしょ?ご飯にしようか。今日は何がいい?
…どうしたの?そんなに手を強く握られたら…分かった、いいよ。
君がそれを望むなら、もうしばらく手を繋いでいよう。
…いつか心の傷が癒えるといいね。
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箱庭-2を綴りました。
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