物置小屋

１人向け・看病系

仲良しなふたり(怪我・姉弟)

ありがとうございました。…もう顔を上げてください。
俺の不注意で落ちたんだから、そんなに謝らないでください。
帰りのタクシーが来たのでそろそろ行きますね。
それでは、失礼します。
…わざわざ病院まで来てもらって悪い。まさかタクシーで来てくれるとは思ってなかったけど、正直助かる。
早く帰ろう。


ただいま。…なんでそんな顔してるんだよ。
大した怪我じゃないし、そこまで心配することないって言っただろ？
杖は念のためにって病院が貸してくれたんだよ。
骨折したわけじゃないから動けるし、捻挫以外は元気だから問題ない。
別に誰が悪いってわけでもないんだし、そんな顔させたくて帰ってきたわけじゃないんだけど。
…そういえば、今日の夕飯当番俺だったな。作れなくて悪かった。
え、なんだこの品数…多すぎだろ。
まあ、お腹減ってたからありがたいけど。
無理してないか？心配するに決まってるだろ。この前だって過労で倒れたのに、また頑張りすぎたら…。
心配なのは同じ、か。…本当に転んだんだよ。犬に、じゃれつかれて。
頭を下げてきた人がいたって言ってたけど、それ多分飼い主さんだから。
早く犬から逃げたくて焦ったのがまずかった。
思ったより速くて避けきれなかったし、避けたら階段から犬が落ちることになるし…受け止めるつもりだったのを失敗したんだ。
俺は姉貴みたいに、誰かのために咄嗟の判断ができるわけじゃない。
けど、犬にも飼い主にも怪我がないならそれでいいって思った。
そこまで痛むわけじゃないから気にしないでほしい。
おまえが暗い顔してたら俺も笑えない。
それに、折角の姉貴の料理がまずくなる。…この話は終わり。
冷める前に美味しく食べることにする。いただきます。
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仲がいい姉弟の話で綴ってみました。