物置小屋

１人向け・看病系

読めない心(元・執事)

ただいま。あれ…どこにいるの？
…お嬢様、ただいま戻りました。本日は夜食をご用意させていただこうと思ったのですが、でてきていただけないのであれば…。
起きて。ねえ、起きてってば。
ただいま。それから、ごめん。うなされてるみたいだったから起こした。
汗びっしょりだね。タオル持ってくるから、ちょっとそのまま…どうして泣いてるの？
分かった。落ち着くまで側にいる。

別に謝らなくていい。そんなに怖い夢を見たの？
俺がいなくなる夢、か…君のことしか見えてないのに、いなくなると思う？
暗闇の中でひとりになる夢って、すごく怖いね。
現実になったらどうしようって思っちゃったんだ…。少し座って待っててくれる？
実は今日、ホットケーキの材料を買ってきたんだ。
君が1番喜んで食べてたのって、なんだかんだでホットケーキだったなって思って…。
夜食にする予定だったから、一緒に食べよう。
それで、俺が君をひとりにしないって感じてくれればいいな。
そうだ、タオルはこれ使って。涙が止まりそうにないなら、それを握りしめてて。
すぐ終わらせるから、もう少しだけ待ってね。

おまたせ。飲み物はカモミールティーにしたよ。
メープルシロップとバターを少し…これが好きだったよね。
君が笑ってくれるなら、俺はどんなことでもするよ。
嫌な夢を吹き飛ばせるくらい美味しいから食べてみて。
…どう？懐かしい味？ああ、奥様のレシピを参考にしたからかな。
俺のやつ？焦げちゃったからチョコレートソースをかけたんだけど…あ。
いや、えっと…気に入ってくれたならよかった。
どういたしまして。君が笑ってくれて安心したよ。お茶淹れてくるね。

喜んでもらえて嬉しいな。
それにしても、いきなり間接キスとか反則でしょ。…照れたなんて死んでも言えない。
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最近夜に珈琲や紅茶を飲むことが多いので綴ってみました。