物置小屋

１人向け・other

知ってること(タイトルままです)

今日の授業はここまでにします。次の通塾日までに宿題を仕上げておいてくださいね。

…これで全員帰ったかな。ねえ、起きられる？
君がふらふらな状態でノートをとってる間に授業は終わったんだ。
なんだか難しい顔をしていた気がするけど…どこか分からないところでもあった？
…ごめん、嘘。俺を待っててくれたんでしょ？
塾の先生の時間はおしまい。これからは恋人として過ごしたいな。
そんなに喜んでもらえるとは思ってなかったけど、元気になったならよかった。家まで送るよ。
…もしかして、また帰れない事情があるの？
俺は別に構わないけど、本当にいいの？怒られたりしない？　
そっか。誰もいないならうちにおいで。傷の手当てするから。


顔の傷、だいぶよくなってきたね。
手足の痣はなかなか治らないけど、いつかきっと消えるよ。
…心の傷はそうはいかないだろうけどね。
誰にも知られたくないんでしょ？だったら俺は言わない。
ただ、恋人として側にいさせて。…これ以上君の心が壊されてしまわないように護らせてほしい。
心無い人たちの言葉なんて聞かなくていいんだよ。
…何を言われたか知らないけど、君が君らしく生きるのを邪魔する権利なんて誰にもない。
俺は傷つけようなんて思ってないから、ここでは本当の気持ちを沢山吐き出して。
温かいご飯と布団を用意して、いつでも待ってるから。
ごめん、また泣かせちゃったね…。笑顔にしたかったのに、いつもこうなっちゃうね。
俺の方こそありがとう。君と一緒にいられてすごく幸せだよ。
どうかしたの？…いいよ、おいで。君が望むなら、このまま朝まで抱きしめてる。
今日も苦しいなかよく頑張りました。
君の頑張り、俺はちゃんと知ってるから。
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意図せず塾の先生と生徒の関係になってしまった恋人を綴ってみました。