物置小屋

１人向け・慰め系

大きな平穏、小さな世界(箱庭-2)

どうかしたの？…そっか、また嫌なことを思い出してたんだね。
謝らないで。僕はただ、君が笑ってくれればそれでいいから。
それで、どんなことを思い出してたの？午後に来る前の嫌なことか…沢山あるんだよね？
箱庭から出たくないって思うくらい現実が残酷だったんでしょ？
それならやっぱり、この世界で楽しいと思えることを沢山すさてほしいな。
僕にできることなんてたかが知れてるけど、この箱庭を君が望む世界に近づけることはできるよ。
他に欲しいものはある？…分かった、それじゃあご飯作ってくるね。

お待たせ。たしか、こういうのが好きなんだよね？
油がじゅわってしてるぶりの焼き魚。
冬になると、君にとって家族だって思える相手と食べてたんでしょ？
…そうだね。一緒に食べようか。いただきます。
自分で言うのも変かもしれないけど、すごく美味しい。君はどう感じてる？
美味しく食べられたならよかった。…楽しいこと、少しは思い出せた？お礼を言われるほどのことはしてないよ。
…やっぱり現実に戻るつもりはない？分かった。食器を片づけてくるからゆっくり休んでね。疲れてるだろうし…。
今日の物語も読ませてもらったけど、やっぱり君が紡ぐ話は面白いね。


あの子がここにきておよそ250日だけど、まさかあんなに笑ってくれるとは思わなかった。
現実には干渉できないからどうしようもないんだよな…。
やっぱり1度帰した方がいいのか、このまま…。
だけど、彼女が望んでくれる限り側にいよう。彼女を護ろうって、この場所ができたその瞬間から決めてたから。
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認めてくれる人が側にいてくれたら、なんて考えながら綴りました。
箱庭、やっぱり個人的に好きです。