物置小屋

１人向け・慰め系

望んだ世界(箱庭-2)

…あ、やっと見つけた。今日は何を見てたの？
そっか、星…たしかにこの場所は綺麗に見えるよね。
僕にもそういうものを感じとることはできるみたい。やっぱり君の世界にいるからかな？
君が考えていることがなんとなく分かるようになったかもしれない。
…また嫌なことを思い出してたでしょ。分かるよ。
物語を書いているときの君はふわふわしてるけど、今は苦しそうな顔をしてるから。
なにか嫌なことがあったのか、思い出して辛い思いをしているんじゃないかと思ったんだ。
質問？僕に答えられることなら答えるよ。
…僕は君を置いていなくなったりしない。君が僕の存在を望んでくれる限り、ずっとここにいるよ。
抱きしめてもいい？…どんなことを思い出してたのかは分からないけど、苦しい思いをしたんだね。
謝る必要はないよ。実は僕、ちょっと嬉しいって思ってるんだ。
最初はたまたまこの箱庭にいたくらいの仲だったけど、自分の気持ちを話してくれるようになったでしょ？
人との距離が縮むってこういうことをいうんだろうなって考えると、胸が温かくなる。
……そっか、やっぱり現実には帰りたくないんだ。
無理強いしないって言ったのは僕だし、君が選んだことなら応援するよ。
この場所なら誰にも縛られなくていい。
辛い思いなんてさせないから、僕もここにいていい？…ありがとう。
君がこの場所なんていらないってなるまでずっと隣にいるからよろしくね。
…さて、今日のご飯は何にしようか。君が好きなものを用意するよ。
それじゃあ、少し部屋で待ってて。すぐ作って持っていくから。


…現実世界から離れて随分時間が経つけど、あの場所は相変わらず彼女を苦しめている。
それを知っているのに、1度現実世界に帰ってみればいいなんて言えないよ。
僕はどうしたいんだろう。よく分からなくなっちゃったな…。
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
彼女が選ぶのは今回もやはり箱庭の世界。
傷ついた心を癒やすには時間がかかることでしょう。