物置小屋

１人向け・イベント系

来年も隣に(元・執事)

お嬢様、起きていらっしゃいますか？
…ごめん。全然返事がなかったから、昔みたいに呼んだら部屋から出てきてくれるかなって…何聴いてたの？
運命、か。クラッシック、奥様がよくお聞きになってたから少し分かるんだ。
今はそれより…年越しそば、食べてみたかったんでしょ？折角用意したのに冷めちゃうよ。
そんなに謝らなくていい。俺がやりたくてやってることなんだから。
実は俺も人生初の年越しそばなんだ。
テレビで見たことはあったけど、実際に作ったことはなかった。
肉そばにしたけどこれでよかった？天ぷらそばにしようかとも思ったけど、君が蕎麦を食べるイメージがなくて…。
天ぷらにスープが染みるのが嫌って嫌っていう人もいるから、なんとなく手軽に作れそうだった方にしたんだ。手抜きでごめん。
…まさかそんなに喜んでもらえるとは思ってなかった。
ご馳走、か。そう思ってもらえたなら嬉しいな。
どうしたの？プレゼント？…俺がもらっていいの？
ありがとう。開けてみてもいい？…あ、ネクタイピンだ。
ありがとう。すごくかっこいい。もしかして、最近こっそり色々なところで買い物をしていたのはこれを作るため？
手作りしてくれるなんて、君は本当に器用だね。
仕事始めにつけていくよ。…冷めないうちに食べようか。
どう？美味しい？それはよかった。
来年？…そうだね。来年も一緒に過ごしたい。
来年だけじゃなくて、できればずっと…顔が赤いけど、もしかして照れてる？君は本当に可愛いね。
愛してるよ。これからもずっと…。ああ、鐘が鳴った。
あけましておめでとう。今年もよろしく。
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元・執事の恋人との年越しを綴ってみました。