物置小屋

黒蝶

文字の大きさ
上 下
1,383 / 1,819
1人向け・イベント系

拝啓、銀世界より(雪降る日)

しおりを挟む
拝啓


君がいなくなって初めての冬がやってきました。
いつも独りで過ごしていたのに、いつもより寒く感じるのは何故だろう。
好きだと言ってくれた曲を完成させたけど、ここにもう君はいない。
今度歌を届ける予定だけど、ちゃんと届くかな。
もし届くようなら、僕の気持ちも一緒に届いてほしい。
君と過ごした日々はとても短かったけど、一生心に残る思い出になりました。
あれからも病院の屋上にはたまに行ってるんだ。
あの場所に行く度、君の笑顔を思い出す。
病室を抜け出してきた君に曲のことを聞かれたとき、もしかするととは思ってた。
だけど、確信が持てなくて言えなかったんだ。
中庭で弾いていた曲を好きだと言ってくれて、僕の歌を聴きたいと言ってくれてありがとう。
もっと君に沢山のありがとうを届けたかった。
もっと側にいて、色々な話をしてみたかった。
楽しかった時間を思い出して寂しくなることもあるけど、君がここにいたことを忘れません。
いつかまた会えたら、今度はどんな話をしようかな。


…らしくなかったかな。誰にも読まれることはないだろうけど、念の為誰にも見られない場所にしまっておかないと。
それにしても、やっぱり寒く感じるな。雪が降ってきたからか。…いや、寂しさのせいかもしれない。
まあ、いいか。本当は眠る場所で歌った方がいいんだろうけど、墓前よりこっちの方が僕らしいよね?
…キーボードも持ってきたし、ここで歌うよ。君のところまで届くように、想いをこめて。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
自作小説、『君と30日のまた明日』に絡めてみました。
アルファポリスにて完結させてあります。興味のある方はぜひ覗いていただけますと嬉しいです。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

国宝級イケメンと言われても普通に嫉妬をする男性ですから

はなたろう
大衆娯楽
国民的人気アイドル、コウキの恋人はごく普通の会社員。メンバーとの飲み会に誘われ参加をしたら、他のメンバーに口説かれてしまった。目撃したアイドルの甘い嫉妬。表題作その他、アイドル×一般人の恋愛×短編をまとめました。 本編、人気アイドル、dulcis〈ドゥルキス〉のメンバーとの一般人の恋愛小説、本編もぜひご覧ください ①コウキ×美咲 「国宝級イケメンとのキスは最上級に甘いドルチェみたいに、私をとろけさせます」 ②アラタ×愛香 関連作品「美容系男子と秘密の診療室をのぞいた日から私の運命が変わりました」こちらも、ぜひお願いいたします(^^)

会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語

六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

処理中です...