物置小屋

黒蝶

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拝啓、銀世界より(雪降る日)

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拝啓


君がいなくなって初めての冬がやってきました。
いつも独りで過ごしていたのに、いつもより寒く感じるのは何故だろう。
好きだと言ってくれた曲を完成させたけど、ここにもう君はいない。
今度歌を届ける予定だけど、ちゃんと届くかな。
もし届くようなら、僕の気持ちも一緒に届いてほしい。
君と過ごした日々はとても短かったけど、一生心に残る思い出になりました。
あれからも病院の屋上にはたまに行ってるんだ。
あの場所に行く度、君の笑顔を思い出す。
病室を抜け出してきた君に曲のことを聞かれたとき、もしかするととは思ってた。
だけど、確信が持てなくて言えなかったんだ。
中庭で弾いていた曲を好きだと言ってくれて、僕の歌を聴きたいと言ってくれてありがとう。
もっと君に沢山のありがとうを届けたかった。
もっと側にいて、色々な話をしてみたかった。
楽しかった時間を思い出して寂しくなることもあるけど、君がここにいたことを忘れません。
いつかまた会えたら、今度はどんな話をしようかな。


…らしくなかったかな。誰にも読まれることはないだろうけど、念の為誰にも見られない場所にしまっておかないと。
それにしても、やっぱり寒く感じるな。雪が降ってきたからか。…いや、寂しさのせいかもしれない。
まあ、いいか。本当は眠る場所で歌った方がいいんだろうけど、墓前よりこっちの方が僕らしいよね?
…キーボードも持ってきたし、ここで歌うよ。君のところまで届くように、想いをこめて。
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自作小説、『君と30日のまた明日』に絡めてみました。
アルファポリスにて完結させてあります。興味のある方はぜひ覗いていただけますと嬉しいです。
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