物置小屋

１人向け・看病系

今度こそ、支えに。(タイトルそのままです)

こんばんは。…あの、大丈夫？
いやいや、全然大丈夫じゃなさそうなんだけど。一旦横になった方が良さそうだ。…よっと。
もう少しだからそのまま寝てて。


…あ、目が覚めた？無理に起きあがらない方がいい。
ここは俺の家。本当なら病院に運びたかったけど、今って開いてないでしょ？
だからこうして処置を…。ごめん。君に危害をくわえるつもりなんてないんだ。
ただ、貧血気味なんだろうなって思ったら放っておけなくて…。
俺が怖いなら出ていってもらって構わない。今なら終電には間に合うだろうし、どこにだって行けるはずだ。
…いや、君が謝る必要なんてない。俺を信じてくれてありがとう。
この薬、昔知り合いが飲んでたんだ。酷い貧血で、しょっちゅう体調を崩してた。
薬も飲めなくなるくらいふらふらだったんでしょ？だったら今は無理しない方がいい。
そうだ、ベーコンとほうれん草のチーズ炒めならあるけど…食べられそう？
ご飯は炊きたて、まずいってことはないはずだから。よければどうぞ。
よかった、喜んでもらえて…。それじゃあ、この部屋は好きに使ってもらって構わないから。
俺はリビングにいるよ。もし何かあったら声をかけて。
いつものことだから、とか…貧血を甘く見ないようにね。
どういたしまして。薬を飲んだら早めに寝ること。それじゃあ、ゆっくりおやすみ。

…顔色、だいぶよくなってたな。不安だらけだったけど、ひとまず安心した。
ソファーで本でも読みながら寝ようかな。…あの様子、やっぱり俺のこと覚えてないか。
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彼は彼女をよく覚えていますが、彼女は彼を初対面の相手だと思っています。