物置小屋

１人向け・看病系

雨の思い出(元・執事シリーズです)

お嬢様、どうされましたか？随分顔色が悪いように見えますが…なんでもないわけないでしょう。
今夜はもうお休みになってください。
いけません。あの人たちが何を言ってこようが、今夜は薬を飲んで横になってください。
…分かりますよ。あなたのことですから。

おかえりなさいませ。申し訳ありませんが、お嬢様は体調を崩してお休みになられています。あなた方の部屋はあちらでしょう？
そちらには用がないはずです。…クビ、ですか。
私のクビくらいいくらでも賭けられます。
ただし、お嬢様に手を出したそのときは、お嬢様から見て義母と義理の妹であるあなた方を地獄より酷い目に遭わせます。
あなた方に何を言われても怖くありません。
私の雇い主はあくまで亡くなられた奥様であって、あなた方ではありませんから。

…申し訳ありません。起こしてしまいましたか？
なんでもありませんので、どうか気にしないでください。
それより、頭痛の調子は如何ですか？少しでも落ち着いたならよかったです。
どうなさったんですか、突然手を握ったりして…。かしこまりました。今日の仕事は終わりましたし、あなたに付き添っていても問題はないでしょう。
それでは、お嬢様の部屋に向かいましょうか。


…申し訳ありません。起こしてしまいましたか？
ごめん。昔のことを思い出していたんだ。
あの家でも君の看病をしたことがあったなって…。頭痛、少しはおさまってきた？それならよかった。
今こうして恋人として側にいられて本当に嬉しい。
昔みたいに手を繋いでおこうか？…心配しなくても、俺は君を置いてどこかに行ったりしない。
約束するよ。これからも君の隣にいるから安心して。
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元・執事シリーズで綴ってみました。