物置小屋

１人向け・慰め系

朝なんていらない(箱庭-2)

こんにちは。今日も邪魔しないから、ここにいてもいい？ありがとう。
小説、だいぶ仕上がってきた？できあがったら読んでもいい？
…君の物語を知りたいんだ。嫌なら無理にとは言わないけど…本当？ありがとう。それじゃあありがたく読ませてもらうね。

ありがとう。すごく心に沁みる話だった。
君の心と悲しみが伝わってきたよ。
どうやって話したらいいか分からないけど、心にあるものが読み取れた気がする。
人と関わるのはやっぱり嫌？ここから出ようとは思わない？
そっか…。分かった、それじゃあ僕は君の味方でいるよ。
最初から言ってるでしょ、僕は君を無理矢理帰らせようとは思ってないって。
この場所に来てからいきいきしてるのも知ってるから、余計に言えない。
現実を思い出すとやっぱり辛い？君にとってあの世界は地獄だったんだね。
優しくしているつもりなんてないよ。僕はただ、僕が思ったことを言ってるだけ。
励ましたりとか説得とか、本当に優しい人ならそういうことをするんじゃないかな。
そういえば、この場所ってずっと夜だね。君の心に反映して映し出されるんだけど…朝は好きじゃない？
たしかに夜は星が綺麗だね。それは僕にも分かる。
朝が辛い、か…それでずっと夜のままなんだ。
どうして辛いのかは、まだ話したくないんでしょ？だったら今は聞かない。
…その代わり、手を繋いでもいい？ありがとう。こうしているとなんだか安心するんだ。
そのまま消えたいって考えてた？そうなるかどうかは分からないけど、僕はこのまま君との世界を楽しみたいな。
どうしても辛いなら、なんてそのときがこないと分からないけど、君がいなくなってしまうのは寂しい。
一緒にいて。ここにいる間だけでいいから。
辛い思いを全部吐き出して。それから、また物語ができたら読ませてほしい。
君の物語が楽しみなんだ。


寝ちゃったみたいだな。…少しは落ち着いて過ごせてるってことなのかな。
…現実世界の君がどんな状態か話した方がよかったのかな。それとも、もう関係ないって思っているのかな。
…僕はどうしたらいいんだろう。
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箱庭にとどまり続けている彼女は朝が嫌いです。