物置小屋

１人向け・看病系

夜桜な君(元・執事シリーズです)

…お嬢様、まだ起きていらっしゃったんですか？
ごめん。少しだけからかいたくなったんだ。
いつも思ってたけど、君は月みたいに綺麗な心で接してくれるよね。
もしかして照れてる？…そういうところも綺麗だと思う。
もし眠くないなら、これ羽織ってベランダで待ってて。
何か温かい飲み物でも淹れてくる。

…おまたせ。どうぞ。
このハーブティーは眠りやすくなるようにブレンドしたものなんだ。
ずっと君に飲んでもらう機会がなかったけど、今夜なら飲んでもらえるかなって…。
それから、パンケーキを焼いてきたんだ。ここからなら桜が見えるし、少し楽しむ程度なら体調を崩すこともないかなって思ったんだけど…気が向かない？
まさかそんなに喜んでもらえるとは思ってなかった。
それにしても、君はやっぱり綺麗だね。
月光のような儚さも美しさも持っていて、こんな日の夜にはより一層輝いて見える。
…なんてね。ごめん。もしかすると今日は酔っているのかもしれない。
お酒は呑んでないけど、なんだか頭がふわふわしているんだ。
コップに入ってたやつ…あ、飲んだ。
そっか、水だと思ってたけどお酒だったんだね。
だからいつもより君が可愛くて愛しいって思ってるんだ…。
酔っぱらいの戯言だと思って聞いて。
俺は君の全部が好きだよ。いつもは素直になれないから、今こうやって伝えることしかできないけど…本当は四六時中ずっと君のことを考えてる。
ああ、だけど仕事のときは別か。
近い？何が？…距離、近いと駄目なの？
駄目じゃないなら、もう少しだけこのままでいさせて。
…ありがとう。桜より綺麗な君を見ているだけで、俺は毎日幸せだよ。
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元・執事な彼をほろ酔いにさせてみました。