物置小屋

１人向け・イベント系

拝啓、友人のあなたへ(ホワイトデー)

拝啓

急に畏まった口調になるのは変だと思うから、いつもどおりやってみようと思う。
チョコレートのお返し、直接渡せなくてごめん。
意気地なしの俺は、今回もこうして手紙に頼ることしかできない。
改まって渡すのはどうしても恥ずかしかった。
だからこうやって、ポストに入れさせてもらうことにしたんだ。
いつもありがとう。人と話すのが苦手な俺と一緒にいてくれて、こんなどうしようもない俺を気にかけてくれてありがとう。
君は俺の1番の友人で、それは一生変わらないと思ってた。
だけど、残念ながらそうじゃなかったみたいだ。
俺は、できれば今日で君の友人をやめたい。
理由は、君が嫌いだからじゃなくて…君が好きだから。
大切な心の友で、ずっと近くにいられればそれでいいと思ってた。
…それだけじゃないって気づいたのは、もう何ヶ月も前のこと。
君が笑ってくれると俺も嬉しい。
君が悲しんでいると俺も悲しくなる。
一緒にいるとどきどきして、心臓が壊れそうになる。
…気づいたときには、君と恋をしてみたいと思ってたんだ。
だけど、君は明るくて俺と違ってみんなの太陽みたいな人だから、俺じゃ釣り合わないと思う。
今の関係が壊れたらどうしようって不安になって、こうやって文字を書くだけで手が震えてる。
顔を見た瞬間逃げ出しそうになったし、やっぱり人と話すのはあんまり得意じゃないし…。
それでも、君を好きという気持ちは誰にも負けない。
俺でよければ、今日から恋人になってください。


…もしもし？どうしたの、こんな時間に…。
ああ、えっと、ごめん。直接渡せなくて…。
答え？今から!?待って、どっちにしても心の準備ができてない。
もう少しだけ時間もらってもいい？ありがとう。やっぱり俺、君と過ごせる時間が1番好き。
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
成功したかどうかは本人たちのみぞ知る、ということにしてみました。