物置小屋

黒蝶

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1人向け・看病系

ふたつのココロ(二側歩行シリーズです)

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ただいま。いい子にしてた?まあ、少し買い物に言った程度なんだけどね。
ところで…手、どうしたの?何か気になる?
ああ、その傷痕ね…そんなに気にしなくても大丈夫よ。
普段は髪をおろして隠してるんだったわね。
そういえば、この時期は乾燥するから薬を塗ってるとも言ってたわよね…。
だったら、あたしが塗ってあげる。
耳の下あたりなんて、鏡を見ながらでも自分で塗るのは大変でしょ?
ただ、その前にちゃちゃっとお茶の用意を済ませるわね。
だって、今のあなた…仕事をやりきったって顔してるもの。
何かいいことあった?なんとなくだけど、そういうふうに見えたの。
それじゃあ、できあがったら乾杯でもしましょうか。
ねえ、さっき買ってきたもののなかにクッキーがあるんだけど…それも一緒に食べちゃわない?
よし、決まりね。それじゃあ、食べる前に薬を塗っておきましょうか。
さっき塗らなかったのは、あたしの手が汚れていたからよ。
もう手洗いうがいはすませたし…じっとしててちょうだいね。
…この辺触るとくすぐったい?相変わらず可愛い反応するのね。
どんなあなたでも、あたしはいつも可愛いって思ってるわ。
もう、そんなに照れなくてもいいのに…ほら、塗り終わったわよ。
そう?特別手際がよかったわけじゃないと思うけど…ありがと。あなたに褒めてもらえるのは素直に嬉しいわ。
さて、そろそろお湯が沸くと思うの。クッキーだけ出しておいてくれる?
あたしはこのまま紅茶の準備を済ませるから。
…これでよし。今回は少し甘めに淹れられたはずだから、ゆっくり味わってね。
今日も1日お疲れ様。…乾杯。
どう?美味しい?そんなに気に入ってもらえるとは思ってなかったわ。
どうしたの、今度は浮かない顔して…。
別にいいじゃない。顔に怪我の痕が残っていたら駄目なの?
あたしはそういうの気にしないわ。あなたがどんな学校をしようと、周りがどれだけ騒ごうと、あなたがあなたであることに変わりはないんだから。
あなただからいいの。というより、あなたがいてくれないとあたしもう頑張れないわ。
それに、大切なのは見た目じゃない。
…俺はおまえの心に惚れたんだから。
なあに、また顔を赤くして…そんなに俺の方見てたら、可愛いおまえを抱きしめたくなる。
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やっぱりこの彼、二面性の表現が難しいです。
バランスはこれで大丈夫でしょうか…。
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