物置小屋

１人向け・看病系

伝わるもの(偏頭痛・失声症の恋人)

ただいま…って、どうしたの？
えっと、大声出さない方がいいかな？顔真っ青だし、無理しないで横になってて。
…ごめん、今なんて言ったの？
『薬を』…までしか分からなかった。ゆっくりでいいから、無理のない範囲で教えてくれる？
『頭痛がして薬を飲んだけど、タイミングが遅かったみたい』…そっか、それで具合悪いんだね。
そんなに申し訳なさそうな顔しなくていいから、取り敢えず横になって休んでて。
ご飯、スープ系なら食べられそう？分かった、それじゃあ用意するね。

…お待たせ。起きられる？
においとかは大丈夫？それならよかった。食べたら横になってて。
そうじゃないと、なかなかよくならないだろうから…どうしたの？
袖を掴んでじっと見られても、言いたいことは…あ、分かった。
ほら、一緒に食べよう。それから、食べさせてあげる。
今、そこまで考えてないって思ったでしょ？…可愛い。
君は本当に分かりやすいね。だけど俺は、そういうところがいいと思う。
ほら、口開けて？…美味しい？それならよかった。
『どうして？』って、何が？
『どうしてさっきから、はいかいいえで答えられる質問しかしないの？』…書くだけでも疲れるんじゃないかって思ったんだ。
それなら、頭を動かさなくても指で丸印をつくったりバツって表した方が具合が悪くなることはないんじゃないかって…ごめん、余計なことだったかな？
『気を遣わせてしまってごめんなさい。だけど、ありがとう』…そう言ってもらえてよかった。
薬、少しは効いてきたみたいだね。さっきより顔色がよくなった気がする。
本当によかった。それじゃあ、食器を片づけてくるから…そんなに寂しそうな顔をしなくても、片づけたらすぐ戻ってくるよ。
君が寝るまで手を繋いで側にいる。
…！い、いきなり『好き』って言われるのは、やっぱり慣れない。
…ありがとう。俺も好きだよ。
この手話が1番大切なものになりそうだ。
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偏頭痛が酷くなりがちなので綴ってみました。