物置小屋

１人向け・other

いつか、雪降る日に。(視える人)

こんばんは。あなたも独りなんですか？
実は俺もなんです。人付き合いが苦手で、今もこうやって独りの時間を楽しんでいます。
…あなたは違うみたいですね。寂しいって顔をしてるから、見ていれば分かります。
…あなたには、やりたかったことがあったんじゃないですか？
雪うさぎ、ですか？俺でよければ一緒に作ってもいいですか？
こういう経験あんまりないので、固めるのに時間がかかりそうだな…あ、できました。
どうでしょうか？これなら溶けないかもしれません。
空、見てください。今流れ星が流れましたよ。
そうですね、すごく綺麗です。…あなたの未練は、こうして雪景色を見ることだったんですね。
道？多分、その道はあなたにしか見えないんです。
実は数日前から話しかけてはいたんですけど、その度にあなたはぼんやりした様子で1日経つと覚えていないみたいだったので、焦らずずっと話しかけてみようと思ったんです。
自分が死んだことにさえ気づいていない人というのが時々います。あなたもそのうちのひとりです。
伝えたい言葉があるなら、後悔しない道を選んでください。
ずっと独りは寂しいでしょう？その道を真っ直ぐ進んでください。
その先に、あなたが会いたいと願う人がいるはずです。
お礼を言われるようなことなんて何もしていません。
俺はただ、自分ができることをしただけで…雪うさぎを作るのは初めてだったので、俺も楽しめました。
それじゃあ、いってらっしゃい。


今夜も星が綺麗だな。
…俺もあの人みたいに、相手に言葉を伝える勇気があれば違ったのかな。…なんて、そんな後悔をしても遅いのは分かってるんだけど。
いつかこんなふうに雪が積もったら、俺も会いたい人に会えるだろうか。
…そんな希望を持つのは、許されるかな。
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視える人、やっぱり紡ぐのが楽しいです。
時々精神を削りますが…。