物置小屋

１人向け・看病系

怒った理由(元・執事シリーズです)

ただいま。今日は特売で鶏肉が安かったから、フライパンで焼いちゃうね。
仕事？今日はもう終わり。君と一緒にいられる時間があるのはすごく嬉しい。
...君はどう思ってる？教えてくれてもいいのに...照れてるところも可愛いね。
お湯沸かしてるの？あとどれくらいで...危ない。
大丈夫？怪我しなかった？それならよかった。
そんなに謝らないで。やかんが古かったからかな...買い換えておけばよかった。
俺も平気だよ。そんなことより、早く床の掃除をしないと...。
どうしてそんなに怒ってるの？もしかして、何か気に障るようなことを言った？
いいよ、床の掃除は俺がやるから...行っちゃった。
どうしてあんなに怒ってるんだろう。
夕飯ができたら部屋に行ってみようかな。

...手当てはこんなものかな。料理もできたし...。
入るよ？ご飯できたから一緒に食べよう。ねえ、どうしてこっちを向いてくれないの？
もしかして寝てる？
...お嬢様、そんなに拗ねないでください。
あ、やっとこっち向いてくれた。
俺がいくら話しかけても全然反応がないから、きっとさっきのことを怒ってるんだろうなって...。
ごめん。まさかあんなふうになるとは思ってなかったんだ。
君が怪我しなかったらそれでいいって思ってた。
だけどそれって、君が心配してくれてたことを考えてなかったのかもしれないなって...。
本当にごめん。次はこうならないように気をつけるね。
子どもっぽいなんて思ってないよ。ただ、君が怒っていたらすごく焦る...。
だけど、ちょっとだけ嬉しいって思っちゃったんだ。
あの場所にいた頃、君がこんなふうに感情を表に出したことってほとんどなかったから。
ご飯、冷めちゃう前に一緒に食べよう。

大丈夫だよ、包帯くらい自分で替えられるから...。
君は本当に優しいね。それに、包帯を巻くのが上手い。
俺は令嬢だった君じゃなくてただの君に一緒にいてほしいんだ。
だから、令嬢らしくないとか考えなくていいと思う。
ありがとう。実は自分に自分で巻くのって得意じゃないから、すごく助かったよ。
あれ、もしかしてまた照れてる？...可愛い。
ごめん、からかったわけじゃないんだ。
君が本当に可愛いから、つい言っちゃうんだよ。
この怪我は君を護れた証だし、護りたくて咄嗟に動いた結果だから謝らないで。
ただ、次は俺も怪我をしないように気をつけるね。
ご飯をよそってくれるの？ありがとう。片手だとやりづらいから、お任せします。
食べる準備も整ったし...それじゃあ、いただきます。
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
自分なんか、そう考えている彼の心を彼女は見抜きました。
久しぶりにこういった内容のものを綴ったような気がします。