物置小屋

１人向け・看病系

かぼちゃに祈りを。(祈りシリーズです)

入るよ...って、どうしたのその怪我!?
転んだ？そっか...。痛くない？
それならいいけど、何をしているときに転んだの？
...ごめん、言いたくないならいいんだ。
俺、ちょっと食べるもの買ってくるね。何か食べたいものはある？
分かった、かぼちゃ風味のチョコレートね。
売り切れてなかったら絶対買ってくる。

どうして怪我のこと、教えてくれないんだろう...あ、せんせい、こんばんは。
彼女の怪我について教えてほしいんですけど...。
え、そうなんですか？すみません、聞いても教えてもらえなかったのでちょっと心配だったんです。
だけど、それならほっとしました。
食べちゃいけないものとかは...ないんですね。ありがとうございます。
なんだ、それならそう言ってくれればいいのか。
...相変わらず優しいな。

...ハロウィンの準備をしてた男の子を助けたんだって？
さっきせんせいと廊下であって、少し話してきたんだ。
これ、助けてくれたお姉さんに渡してほしいって頼まれたって...君宛の手紙をせんせいから預かってきたよ。
楽しい話、できた？
そっか、それじゃあその男の子ももうすぐ退院できるんだね。
君も明日から家に帰れるでしょ？
今日調子がよかったら帰っていいって、話してたけど...無理してない？
それならよかった。顔色はだいぶよくなった気がするけど、俺の勘違いかなって思ったんだ。
だけど、そうじゃないなら安心した。
...お菓子、あったよ。はい、口開けて？
その手じゃ食べづらいでしょ？
恥ずかしがらなくても、ここにはふたりだけなんだし誰かに見られたりしないよ。
君は本当に可愛いね。
どうして謝るの？俺はただ、こうしてふたりきりでいられるだけで充分楽しいのに...。
迷惑だなんて思ったことないよ。
確かに、何度も検査をしている君を見ていると何もできないのが嫌になることはあるけど...それでも、君のことを嫌いになったことなんて1度もない。
これからだって、君が俺を嫌いになるまでずっと側にいる。
だから、遠慮したり申し訳ないなんて思わないでね。
...そうだ、流石に本物のかぼちゃは無理だったからプラスチックで作ってきたよ。
ジャック・オ・ランタン...これなら、今夜ここに飾っても邪魔にならないかなって思ったんだ。
どうしたの、いきなり抱きついてきて...。
ありがとう。俺も君のこと、大好きだよ。
今夜も宿泊の許可をもらってきたから、君が眠れないなら話をしよう。
俺が仕事に行ってる間にどんなことをしたのか、どんな気持ちになったのか教えて。
俺が知らない君のこと、もっと知りたいから。
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
病を抱えた相手にここまでより添える人というのは、なかなかいないと思います。
...ただ、理想として綴ってみたかったのです。